数列

Σの性質

部分分数分解とテレスコーピング

数列の「Σの性質」を、答えを先に押さえてから理解できる形に整理したページです。「部分分数分解とテレスコーピング」でつまずきやすい点も含めて、学習の流れを短く確認できます。

数学B 約21分 難易度 2

このページのまとめ

先に押さえておくこと

Σの性質の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。

答えの要点

部分分数分解とテレスコーピングの答えと条件を先に確認できます。

  • テーマ: 部分分数分解とテレスコーピング
  • ポイント: 数列の基礎を短く確認しやすく、検索から入ってもそのまま理解まで進めやすい記事です。
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問題

次の和を求めよ。

(1)∑k=1n1k(k+1)(1)\quad \displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k(k+1)}
(2)∑k=1n1k(k+2)(2)\quad \displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k(k+2)}
(3)∑k=1n1(2k−1)(2k+1)(3)\quad \displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{(2k-1)(2k+1)}

答えを見る

(1)  ∑k=1n1k(k+1)=nn+1‾(1)\;\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k(k+1)}=\underline{\frac{n}{n+1}}
(2)  ∑k=1n1k(k+2)=n(3n+5)4(n+1)(n+2)‾(2)\;\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k(k+2)}=\underline{\frac{n(3n+5)}{4(n+1)(n+2)}}
(3)  ∑k=1n1(2k−1)(2k+1)=n2n+1‾(3)\;\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{(2k-1)(2k+1)}=\underline{\frac{n}{2n+1}}

解説

Σの性質を活用した計算テクニックについて解説します。

∑1k(k+1)\displaystyle\sum\frac{1}{k(k+1)}みたいな形って、∑k\sum kや∑k2\sum k^2の公式では計算できないですよね?

そうだね。こういう分数の和には部分分数分解\textcolor{red}{部分分数分解}というテクニックを使うんだ。

分解すると項が打ち消し合って、きれいに和が求まるよ。これをテレスコーピング\textcolor{red}{テレスコーピング}(望遠鏡和)と呼ぶんだ。

どうしてこの分解ができるんですか?

1k−1k+1\frac{1}{k}-\frac{1}{k+1}を通分してみよう。

1k−1k+1=(k+1)−kk(k+1)=1k(k+1)\frac{1}{k}-\frac{1}{k+1}=\frac{(k+1)-k}{k(k+1)}=\frac{1}{k(k+1)}

ちゃんと元に戻るね!この逆の操作が部分分数分解だよ。

では問題を解いていきましょう。

(1)∑k=1n1k(k+1)(1)\quad \displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k(k+1)}

まず部分分数分解をします。

1k(k+1)=1k−1k+1\displaystyle\frac{1}{k(k+1)}=\frac{1}{k}-\frac{1}{k+1}

よって、

∑k=1n1k(k+1)=∑k=1n(1k−1k+1)\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k(k+1)}=\sum_{k=1}^{n}\left(\frac{1}{k}-\frac{1}{k+1}\right)

ここからがポイントだよ。各項を書き並べてみよう。

各kkの値に対して項を書き出すと、

k=1:11−12k=1:\quad \frac{1}{1}-\frac{1}{2}
k=2:12−13k=2:\quad \frac{1}{2}-\frac{1}{3}
k=3:13−14k=3:\quad \frac{1}{3}-\frac{1}{4}
⋮\qquad\qquad\vdots
k=n:1n−1n+1k=n:\quad \frac{1}{n}-\frac{1}{n+1}

あ!隣り合う項が打ち消し合いますね!

その通り!−12-\frac{1}{2}と+12+\frac{1}{2}、−13-\frac{1}{3}と+13+\frac{1}{3}、...と順番に消えていくんだ。

これがテレスコーピング(望遠鏡のように縮む)と呼ばれる理由だよ。

打ち消し合った結果、最初の11\frac{1}{1}と最後の−1n+1-\frac{1}{n+1}だけが残ります。

∑k=1n1k(k+1)=1−1n+1=nn+1‾\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k(k+1)}=1-\frac{1}{n+1}=\underline{\frac{n}{n+1}}

検算してみよう。n=1n=1のとき11⋅2=12\frac{1}{1\cdot 2}=\frac{1}{2}、公式に代入すると12\frac{1}{2}で一致するね。

n=2n=2のとき12+16=23\frac{1}{2}+\frac{1}{6}=\frac{2}{3}、公式では23\frac{2}{3}でOKだ。

(2)∑k=1n1k(k+2)(2)\quad \displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k(k+2)}

(1)(1)と似ていますが、分母がk(k+2)k(k+2)で隣り合っていないですね...

いいところに気づいたね!kkとk+2k+2は22だけ離れているから、部分分数分解のときに12\frac{1}{2}がつくんだ。

公式1k(k+d)=1d(1k−1k+d)\frac{1}{k(k+d)}=\frac{1}{d}\left(\frac{1}{k}-\frac{1}{k+d}\right)でd=2d=2の場合だよ。

部分分数分解すると、

1k(k+2)=12(1k−1k+2)\displaystyle\frac{1}{k(k+2)}=\frac{1}{2}\left(\frac{1}{k}-\frac{1}{k+2}\right)

よって、

∑k=1n1k(k+2)=12∑k=1n(1k−1k+2)\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k(k+2)}=\frac{1}{2}\sum_{k=1}^{n}\left(\frac{1}{k}-\frac{1}{k+2}\right)

各項を書き出してみます。

k=1:11−13k=1:\quad \frac{1}{1}-\frac{1}{3}
k=2:12−14k=2:\quad \frac{1}{2}-\frac{1}{4}
k=3:13−15k=3:\quad \frac{1}{3}-\frac{1}{5}
k=4:14−16k=4:\quad \frac{1}{4}-\frac{1}{6}
⋮\qquad\qquad\vdots
k=n−1:1n−1−1n+1k=n-1:\quad \frac{1}{n-1}-\frac{1}{n+1}
k=n:1n−1n+2k=n:\quad \frac{1}{n}-\frac{1}{n+2}

今度は22つ離れた項同士が打ち消し合うから、最初の22項と最後の22項が残るよ。

打ち消し合いの結果、11\frac{1}{1}と12\frac{1}{2}が残り、−1n+1-\frac{1}{n+1}と−1n+2-\frac{1}{n+2}が残ります。

∑k=1n1k(k+2)=12(1+12−1n+1−1n+2)\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k(k+2)}=\frac{1}{2}\left(1+\frac{1}{2}-\frac{1}{n+1}-\frac{1}{n+2}\right)

ここから通分して整理しよう。()( )の中を通分するよ。分母を2(n+1)(n+2)2(n+1)(n+2)にそろえよう。

()( )の中を通分すると、

1+12−1n+1−1n+21+\frac{1}{2}-\frac{1}{n+1}-\frac{1}{n+2}
=2(n+1)(n+2)+(n+1)(n+2)−2(n+2)−2(n+1)2(n+1)(n+2)=\frac{2(n+1)(n+2)+(n+1)(n+2)-2(n+2)-2(n+1)}{2(n+1)(n+2)}

分子を計算すると、

2(n+1)(n+2)+(n+1)(n+2)−2(n+2)−2(n+1)2(n+1)(n+2)+(n+1)(n+2)-2(n+2)-2(n+1)
=3(n+1)(n+2)−2(n+2)−2(n+1)=3(n+1)(n+2)-2(n+2)-2(n+1)
=3n2+9n+6−2n−4−2n−2=3n^2+9n+6-2n-4-2n-2
=3n2+5n=n(3n+5)=3n^2+5n=n(3n+5)

よって、

∑k=1n1k(k+2)=12⋅n(3n+5)2(n+1)(n+2)\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k(k+2)}=\frac{1}{2}\cdot\frac{n(3n+5)}{2(n+1)(n+2)}
=n(3n+5)4(n+1)(n+2)‾=\underline{\frac{n(3n+5)}{4(n+1)(n+2)}}

(1)(1)と違って残る項が多いから、通分が大変ですね。

そうだね。d=2d=2の場合は44つの項が残るから通分が必要になるんだ。

検算してみよう。n=1n=1のとき11⋅3=13\frac{1}{1\cdot 3}=\frac{1}{3}、公式では824=13\frac{8}{24}=\frac{1}{3}でOKだね。

(1)(1)ではd=1d=1だったから11項ずつ、(2)(2)ではd=2d=2だから22項ずつ残ったということだよ。

(3)∑k=1n1(2k−1)(2k+1)(3)\quad \displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{(2k-1)(2k+1)}

分母がk(k+1)k(k+1)の形じゃなくて(2k−1)(2k+1)(2k-1)(2k+1)の形です。同じようにできますか?

できるよ!(2k+1)−(2k−1)=2(2k+1)-(2k-1)=2だから、差は22だね。

部分分数分解の公式を使ってみよう。

部分分数分解すると、

1(2k−1)(2k+1)=12(12k−1−12k+1)\displaystyle\frac{1}{(2k-1)(2k+1)}=\frac{1}{2}\left(\frac{1}{2k-1}-\frac{1}{2k+1}\right)

これは12k−1\frac{1}{2k-1}と12k+1\frac{1}{2k+1}の差になっています。kkを11増やすと12(k+1)−1=12k+1\frac{1}{2(k+1)-1}=\frac{1}{2k+1}となり、前の項の引く部分と一致するので、テレスコーピングが使えます。

各項を書き出すと、

k=1:11−13k=1:\quad \frac{1}{1}-\frac{1}{3}
k=2:13−15k=2:\quad \frac{1}{3}-\frac{1}{5}
k=3:15−17k=3:\quad \frac{1}{5}-\frac{1}{7}
⋮\qquad\qquad\vdots
k=n:12n−1−12n+1k=n:\quad \frac{1}{2n-1}-\frac{1}{2n+1}

隣り合う項が打ち消し合い、最初の11\frac{1}{1}と最後の−12n+1-\frac{1}{2n+1}だけが残ります。

∑k=1n1(2k−1)(2k+1)=12(1−12n+1)\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{(2k-1)(2k+1)}=\frac{1}{2}\left(1-\frac{1}{2n+1}\right)
=12⋅2n+1−12n+1=\frac{1}{2}\cdot\frac{2n+1-1}{2n+1}
=12⋅2n2n+1=\frac{1}{2}\cdot\frac{2n}{2n+1}
=n2n+1‾=\underline{\frac{n}{2n+1}}

検算してみよう。n=1n=1のとき11⋅3=13\frac{1}{1\cdot 3}=\frac{1}{3}、公式では13\frac{1}{3}でOK。

n=2n=2のとき13+115=5+115=25\frac{1}{3}+\frac{1}{15}=\frac{5+1}{15}=\frac{2}{5}、公式では25\frac{2}{5}でOKだね。

このページのまとめ

ここでは部分分数分解を利用したテレスコーピング和について学習しました。

1k(k+1)\frac{1}{k(k+1)}型の和は数列の問題で頻出です。部分分数分解 →\rightarrow 項を書き出す →\rightarrow 打ち消しを確認、という流れをマスターしてくださいね!

残る項の個数が分母の差に対応することも覚えておくと、素早く解けるようになりますよ。

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