数列

数学的帰納法

等式・不等式の証明

数列の「数学的帰納法」を、答えを先に押さえてから理解できる形に整理したページです。「等式・不等式の証明」でつまずきやすい点も含めて、学習の流れを短く確認できます。

数学B 約17分

このページのまとめ

先に押さえておくこと

数学的帰納法の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。

答えの要点

等式・不等式の証明の答えと条件を先に確認できます。

  • テーマ: 等式・不等式の証明
  • ポイント: 数列の基礎を短く確認しやすく、検索から入ってもそのまま理解まで進めやすい記事です。
  • 次に読むなら: 関連ページ、またはアプリで類題演習

問題

数学的帰納法を用いて、次の命題を証明せよ。

(1)(1)\quad すべての自然数nnについて、1+2+3++n=n(n+1)21+2+3+\cdots+n = \dfrac{n(n+1)}{2}

(2)(2)\quad n1n \geqq 1のとき、2n>n2^n > n

答えを見る

(1)\textbf{(1)}の証明

[1]  n=1[1]\;n=1のとき

(左辺)=1=1、(右辺)=122=1=\dfrac{1 \cdot 2}{2}=1

よってn=1n=1のとき成り立つ。

[2]  n=k[2]\;n=kのとき成り立つと仮定する。

すなわち、1+2+3++k=k(k+1)2  ()1+2+3+\cdots+k = \dfrac{k(k+1)}{2}\;\cdots(\ast)

n=k+1n=k+1のとき、

1+2+3++k+(k+1)1+2+3+\cdots+k+(k+1)

=k(k+1)2+(k+1)= \dfrac{k(k+1)}{2}+(k+1)\quad()(\ast)より)

=k(k+1)+2(k+1)2= \dfrac{k(k+1)+2(k+1)}{2}
=(k+1)(k+2)2= \dfrac{(k+1)(k+2)}{2}

これはn=k+1n=k+1を代入した右辺(k+1)(k+2)2\dfrac{(k+1)(k+2)}{2}と一致する。

よってn=k+1n=k+1のときも成り立つ。

[1],[2][1],[2]より、すべての自然数nnについて与えられた等式が成り立つ。\square

(2)\textbf{(2)}の証明

[1]  n=1[1]\;n=1のとき

(左辺)=21=2=2^1=2、(右辺)=1=1

2>12>1より、n=1n=1のとき成り立つ。

[2]  n=k  (k1)[2]\;n=k\;(k \geqq 1)のとき成り立つと仮定する。

すなわち、2k>k  ()2^k > k\;\cdots(\ast)

n=k+1n=k+1のとき、

2k+1=22k2^{k+1} = 2 \cdot 2^k

>2k> 2k\quad()(\ast)より)

=k+k= k + k

k+1\geqq k + 1\quadk1k \geqq 1より)

よって2k+1>k+12^{k+1} > k+1となり、n=k+1n=k+1のときも成り立つ。

[1],[2][1],[2]より、n1n \geqq 1のすべての自然数nnについて2n>n2^n > nが成り立つ。\square

解説

数学的帰納法について解説します。

数学的帰納法って難しそうです...どういう考え方なんですか?

実はとてもシンプルな考え方だよ。ドミノ倒し\textcolor{red}{ドミノ倒し}をイメージしてみよう!

ドミノが無限に並んでいるとき、全部倒すにはどうすればいい?

最初の1枚を倒して...あとはどのドミノも次のドミノを倒せればいいですね!

その通り!まさにそれが数学的帰納法の考え方なんだ。

これを数学的にまとめると次のようになるよ。

[1][1]が「1枚目のドミノを倒す」、[2][2]が「kk番目のドミノがk+1k+1番目を倒す」に対応しているんだ。

この2つが揃えば、n=1,2,3,n=1, 2, 3, \cdotsと次々に成り立つことが保証されるよ。

それでは、実際に問題を解いてみましょう。

(1)(1)\quad すべての自然数nnについて、1+2+3++n=n(n+1)21+2+3+\cdots+n = \dfrac{n(n+1)}{2} を証明せよ。

まず証明の書き方のテンプレートを確認しよう。

数学的帰納法の答案は、いつも同じ「型」で書けるんだよ。

この型に当てはめて書けばいいんですね!

そうだよ!では(1)(1)を実際にやってみよう。まず[1][1]からだね。

[1]  n=1\textcolor{blue}{[1]}\;n=1のとき

(左辺)=1= 1

(右辺)=1(1+1)2=22=1= \dfrac{1 \cdot (1+1)}{2} = \dfrac{2}{2} = 1

(左辺)==(右辺)なので、n=1n=1のとき成り立ちます。

Step 1は簡単だね。n=1n=1を代入して両辺が等しいことを確認するだけだよ。

次がポイントのStep 2だ。

[2]  n=k\textcolor{blue}{[2]}\;n=kのとき成り立つと仮定します。

すなわち、

1+2+3++k=k(k+1)2  ()1+2+3+\cdots+k = \dfrac{k(k+1)}{2}\;\cdots(\ast)

このとき、n=k+1n=k+1で成り立つことを示します。

n=k+1n=k+1のとき、左辺はどうなりますか?

左辺は1+2++k+(k+1)1+2+\cdots+k+(k+1)だね。

ここで1+2++k1+2+\cdots+kの部分に仮定()(\ast)を使うんだよ!

n=k+1n=k+1のとき、左辺を計算すると、

1+2+3++k+(k+1)1+2+3+\cdots+k+(k+1)

=k(k+1)2+(k+1)= \dfrac{k(k+1)}{2}+(k+1)\quad(仮定()(\ast)より)

=k(k+1)+2(k+1)2= \dfrac{k(k+1)+2(k+1)}{2}
=(k+1)(k+2)2= \dfrac{(k+1)(k+2)}{2}

一方、n=k+1n=k+1を右辺に代入すると(k+1)(k+2)2\dfrac{(k+1)(k+2)}{2}となり、一致します。

よってn=k+1n=k+1のときも成り立ちます。

[1],[2][1],[2]より、すべての自然数nnについて1+2+3++n=n(n+1)21+2+3+\cdots+n = \dfrac{n(n+1)}{2}が成り立ちます。\square

仮定()(\ast)を使うところがポイントなんですね!

そうだよ!Step 2で仮定を使わない証明は数学的帰納法になっていないから注意してね。

では次に、不等式の証明もやってみよう。

(2)(2)\quad n1n \geqq 1のとき、2n>n2^n > n を証明せよ。

不等式でも同じやり方でいいんですか?

基本は同じだよ。ただし不等式の場合は、等式と違って「一致する」ではなく「大小関係が成り立つ」ことを示す必要があるんだ。

仮定の不等式をうまく利用するのがコツだよ。

[1]  n=1\textcolor{blue}{[1]}\;n=1のとき

(左辺)=21=2= 2^1 = 2、(右辺)=1= 1

2>12 > 1より、n=1n=1のとき成り立ちます。

[2]  n=k  (k1)\textcolor{blue}{[2]}\;n=k\;(k \geqq 1)のとき成り立つと仮定します。

すなわち、2k>k  ()2^k > k\;\cdots(\ast)

n=k+1n=k+1のとき、2k+1>k+12^{k+1} > k+1を示します。

2k+1=22k2^{k+1}=2 \cdot 2^kと変形するのがポイントだよ。

2k2^kの部分に仮定()(\ast)を使えるからね。

2k+1=22k2^{k+1} = 2 \cdot 2^k

>2k> 2 \cdot k\quad(仮定()(\ast)2k>k2^k > kより)

=k+k= k + k

k+1\geqq k + 1\quadk1k \geqq 1より)

よって2k+1>k+12^{k+1} > k+1となり、n=k+1n=k+1のときも成り立ちます。

22k>2k2 \cdot 2^k > 2kのところで仮定を使って、2kk+12k \geqq k+1のところでk1k \geqq 1を使うんですね!

よく理解できているね!不等式の帰納法では、このように仮定と既知の条件を組み合わせて不等式を導くんだ。

[1],[2][1],[2]より、n1n \geqq 1のすべての自然数nnについて2n>n2^n > nが成り立ちます。\square


最後に、よくある間違いを確認しておこう。

×\textcolor{red}{\times} Step 1(n=1n=1の確認)を省略する

→ 1枚目のドミノを倒さなければ始まらない!必ず書くこと。

×\textcolor{red}{\times} Step 2で仮定()(\ast)を一度も使わない

→ 仮定を利用しなければ帰納法の意味がない!式変形のどこかで必ず()(\ast)を使う。

×\textcolor{red}{\times}n=k+1n=k+1のとき」と書かずにいきなり計算する

→ 答案の構成を明確にするため、[1][1][2][2]を区別して書こう。

このページのまとめ

ここでは数学的帰納法について学習しました。

証明は[1]  n=1の確認\textcolor{red}{[1]\;n=1の確認}[2]  n=kの仮定からn=k+1を導く\textcolor{red}{[2]\;n=kの仮定からn=k+1を導く}の2ステップで構成されます。

テンプレートの型を覚えて、等式でも不等式でも同じ手順で書けるように練習してくださいね!

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