このページのまとめ
先に押さえておくこと
加法定理の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。
答えの要点
図と式の対応や答えの条件を、先に短く確認できます。
- テーマ: sin(α+β), cos(α+β), tan(α+β)
- ポイント: 指数・対数・三角関数の要点を、図と式を往復しながら確認しやすい記事です。
- 次に読むなら: 関連ページ、またはアプリで類題演習
解説
加法定理の問題について解説します。
加法定理は三角関数の中でも最も重要な公式の一つです。2倍角の公式、半角の公式、和積・積和の公式など、多くの公式がこの加法定理から導かれます。
2つの角度の和や差の三角関数を、それぞれの角度の三角関数で表す公式だよ。
まずは公式を見てみよう!
公式が多くて覚えるのが大変そうです⋯
加法定理を覚えるポイントを整理します。
sinの加法定理:「
sincos」+「
cossin」のように、
sinと
cosが交互に現れる
cosの加法定理:「
coscos」-「
sinsin」のように、同じ関数の積になる
sinの加法定理の符号は、角の和・差の符号とそのまま一致する
cosの加法定理の符号は、角の和・差の符号と逆になる
tanの加法定理は、sinとcosの加法定理から導けるので、まずはsinとcosをしっかり覚えよう!
それでは、問題を解いていきましょう。
(1)sin75°の値を求めよ。
75°を、三角比の値が分かっている角度の和で表します。75°=45°+30°と分解できますね。
45°と30°の三角比は知ってます!
その通り!sinの加法定理を使って計算してみよう。
sinの加法定理 sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ において、α=45°, β=30°とすると、
=sin(45°+30°) =sin45°cos30°+cos45°sin30° =22⋅23+22⋅21 =46+42 =46+2 (2)cos15°の値を求めよ。
15°を角度の差で表します。15°=45°−30°と分解できますね。
cosの加法定理 cos(α−β)=cosαcosβ+sinαsinβ において、α=45°, β=30°とすると、
=cos(45°−30°) =cos45°cos30°+sin45°sin30° =22⋅23+22⋅21 =46+42 =46+2 (1)のsin75°と(2)のcos15°の答えが同じになりました!
いい気付きだね!sin75°=sin(90°−15°)=cos15°なので、余角の関係から同じ値になるんだよ。
(3)tan105°の値を求めよ。
105°=60°+45°と分解して、tanの加法定理を使います。
=tan(60°+45°) =1−tan60°tan45°tan60°+tan45° =1−3⋅13+1 =1−33+1 分母を有理化します。分母・分子に(1+3)を掛けると、
=(1−3)(1+3)(3+1)(1+3) =1−3(3+1)2 =−23+23+1 =−24+23 =−(2+3) 105°は第2象限の角度だからtanの値は負になるね。答えの符号がマイナスなのは正しいよ!
そうだね。tanの加法定理は分数の形になるから、有理化が必要になることが多いよ。
最後に、加法定理の証明(cosの加法定理)を簡単に紹介するね。
加法定理の証明は、単位円上の2点間の距離を利用します。
θ=45∘ P(22,22) sinθ=22 cosθ=22 単位円上に角度αの点P(cosα,sinα)と角度βの点Q(cosβ,sinβ)をとります。
2点PQ間の距離の2乗を計算すると、
=(cosα−cosβ)2+(sinα−sinβ)2 =cos2α−2cosαcosβ+cos2β+sin2α−2sinαsinβ+sin2β =(cos2α+sin2α)+(cos2β+sin2β)−2(cosαcosβ+sinαsinβ) =2−2(cosαcosβ+sinαsinβ)⋯(1) 一方、PQ間の距離は、中心角α−βに対する弦の長さとも見なせるので、点A(1,0)と角度(α−β)の点R(cos(α−β),sin(α−β))の距離と等しくなります。
=(cos(α−β)−1)2+sin2(α−β) =cos2(α−β)−2cos(α−β)+1+sin2(α−β) =2−2cos(α−β)⋯(2) PQ=ARよりPQ2=AR2なので、①と②から、
2−2(cosαcosβ+sinαsinβ)=2−2cos(α−β) cos(α−β)=cosαcosβ+sinαsinβ これでcosの加法定理(差の公式)が証明できました。
なるほど!cosの差の公式から他の公式も導けるんですか?
そうだよ!cos(α−β)のβに−βを代入すればcos(α+β)が出てくるし、sinθ=cos(90°−θ)を使えばsinの加法定理も導けるよ。
このページのまとめ
ここでは加法定理の問題について学習しました。
加法定理は三角関数の最重要公式であり、2倍角の公式や半角の公式、和積・積和公式など多くの公式の基礎になっています。
まずはsinとcosの加法定理を確実に覚え、tanはsinとcosから導けるようにしておきましょう。
入試では非常に頻出なので、ぜひマスターしてくださいね!