微分

方程式・不等式への微分の応用

関数の増減を利用した証明

微分の「方程式・不等式への微分の応用」を、答えを先に押さえてから理解できる形に整理したページです。「関数の増減を利用した証明」でつまずきやすい点も含めて、学習の流れを短く確認できます。

数学Ⅱ 約13分 難易度 2 図つき

このページのまとめ

先に押さえておくこと

方程式・不等式への微分の応用の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。

答えの要点

図と式の対応や答えの条件を、先に短く確認できます。

  • テーマ: 関数の増減を利用した証明
  • ポイント: 微分の要点を、図と式を往復しながら確認しやすい記事です。
  • 次に読むなら: 関連ページ、またはアプリで類題演習

問題

(1)(1)\quad 方程式x3−3x+1=0x^3-3x+1=0の実数解の個数を求めよ。

(2)(2)\quad x≧−2x \geqq -2のとき、不等式x3−3x+2≧0x^3-3x+2 \geqq 0が成り立つことを証明せよ。

答えを見る

(1)  (1)\; 3‾\underline{3}個

(2)  (2)\; x3−3x+2=(x−1)2(x+2)x^3-3x+2=(x-1)^2(x+2)と因数分解でき、x≧−2x \geqq -2のとき(x−1)2≧0(x-1)^2 \geqq 0、(x+2)≧0(x+2) \geqq 0よりx3−3x+2≧0x^3-3x+2 \geqq 0が成り立つ。

解説

微分を利用して方程式の実数解の個数を求めたり、不等式を証明したりする問題について解説します。

微分って、接線や極値を求めるだけじゃないんですか?

実は、微分は方程式や不等式の問題にも大活躍するんだよ。

関数の増減を調べることで、グラフの形がわかるよね。

それを使えば、方程式の解の個数や不等式の証明ができるんだ。

(1)(1)\quad 方程式x3−3x+1=0x^3-3x+1=0の実数解の個数を求めよ。

f(x)=x3−3x+1f(x)=x^3-3x+1とおいて、y=f(x)y=f(x)のグラフとxx軸の交点の個数を調べよう。

まずf(x)f(x)を微分して増減を調べるよ。

f(x)=x3−3x+1f(x)=x^3-3x+1を微分すると、

f′(x)=3x2−3f'(x)=3x^2-3
=3(x2−1)=3(x^2-1)
=3(x+1)(x−1)=3(x+1)(x-1)

f′(x)=0f'(x)=0とおくと、x=−1,1x=-1, 1

f′(x)=0f'(x)=0の解が求まったので、増減表を作ればいいんですね!

その通り!極値を計算して増減表にまとめよう。

極値を計算します。

f(−1)=(−1)3−3(−1)+1=−1+3+1=3f(-1)=(-1)^3-3(-1)+1=-1+3+1=3(極大値)

f(1)=13−3⋅1+1=1−3+1=−1f(1)=1^3-3 \cdot 1+1=1-3+1=-1(極小値)

増減表にまとめると、

x⋯−1⋯1⋯f′(x)+0−0+f(x)↗極大3↘極小−1↗\Large \begin{array}{|c|ccccc|}\hline x & \cdots & -1 & \cdots & 1 & \cdots \\ \hline f'(x) & + & 0 & - & 0 & + \\ \hline f(x) & \nearrow & \begin{subarray}{c} 極大 \\ 3 \end{subarray} & \searrow & \begin{subarray}{c} 極小 \\ -1 \end{subarray} & \nearrow \\ \hline \end{array}

グラフの概形を描くと次のようになります。

(-1, 3) (1, -1) -3 -2 -1 0 1 2 3 -4 -2 2 4
y=x3−3x+1y=x^{3}-3x+1

グラフを見てみよう。

極大値が3>03>0、極小値が−1<0-1<0だから、グラフはxx軸を3回横切っているね。

極大値が正で極小値が負なので、xx軸と3点で交わるんですね!

その通り!もう少し丁寧に確認すると、

x→−∞x \to -\inftyのときf(x)→−∞f(x) \to -\infty、x→+∞x \to +\inftyのときf(x)→+∞f(x) \to +\inftyで、

極大値f(−1)=3>0f(-1)=3>0、極小値f(1)=−1<0f(1)=-1<0だから、

グラフの連続性からxx軸との交点は33個あるとわかるよ。

よって、方程式x3−3x+1=0x^3-3x+1=0の実数解の個数は3‾\underline{3}個です。

(2)(2)\quad x≧−2x \geqq -2のとき、不等式x3−3x+2≧0x^3-3x+2 \geqq 0が成り立つことを証明せよ。

次は不等式の証明だよ。g(x)=x3−3x+2g(x)=x^3-3x+2とおいて、x≧−2x \geqq -2での最小値を調べよう。

g(x)=x3−3x+2g(x)=x^3-3x+2を微分すると、

g′(x)=3x2−3g'(x)=3x^2-3
=3(x+1)(x−1)=3(x+1)(x-1)

g′(x)=0g'(x)=0とおくと、x=−1,1x=-1, 1(いずれもx≧−2x \geqq -2の範囲内)

極値と端点の値を計算します。

g(−2)=(−2)3−3(−2)+2=−8+6+2=0g(-2)=(-2)^3-3(-2)+2=-8+6+2=0(端点)

g(−1)=(−1)3−3(−1)+2=−1+3+2=4g(-1)=(-1)^3-3(-1)+2=-1+3+2=4(極大値)

g(1)=13−3⋅1+2=1−3+2=0g(1)=1^3-3 \cdot 1+2=1-3+2=0(極小値)

増減表にまとめると(x≧−2x \geqq -2の範囲で)、

x−2⋯−1⋯1⋯g′(x)+0−0+g(x)0↗極大4↘極小0↗\Large \begin{array}{|c|cccccccc|}\hline x & -2 & \cdots & -1 & \cdots & 1 & \cdots \\ \hline g'(x) & & + & 0 & - & 0 & + \\ \hline g(x) & 0 & \nearrow & \begin{subarray}{c} 極大 \\ 4 \end{subarray} & \searrow & \begin{subarray}{c} 極小 \\ 0 \end{subarray} & \nearrow \\ \hline \end{array}
(-1, 4) (1, 0) -3 -2 -1 0 1 2 3 -2 2 4 6 8 10
y=x3−3x+2y=x^{3}-3x+2

増減表を見ると、x≧−2x \geqq -2の範囲で最小値は00ですね!

そうだね!x=−2x=-2とx=1x=1のときg(x)=0g(x)=0で、それ以外ではg(x)>0g(x)>0だから、

x≧−2x \geqq -2のときg(x)≧0g(x) \geqq 0が成り立つよ。

増減表より、x≧−2x \geqq -2においてg(x)g(x)の最小値は00(x=−2,1x=-2, 1のとき)です。

したがって、x≧−2x \geqq -2のときx3−3x+2≧0x^3-3x+2 \geqq 0が成り立ちます。

ちなみに、因数分解を使う別解もあるよ。

x3−3x+2=(x−1)2(x+2)x^3-3x+2=(x-1)^2(x+2)と因数分解できるんだ。

g(1)=0g(1)=0だから(x−1)(x-1)が因数なんですね!

いいところに気づいたね!g(1)=0g(1)=0なので(x−1)(x-1)は因数で、

しかもx=1x=1は極小値00をとる点だから(x−1)2(x-1)^2が因数になるんだよ。

【別解:因数分解による証明】

x3−3x+2=(x−1)2(x+2)x^3-3x+2=(x-1)^2(x+2)

x≧−2x \geqq -2のとき、(x−1)2≧0(x-1)^2 \geqq 0かつ(x+2)≧0(x+2) \geqq 0

よって(x−1)2(x+2)≧0(x-1)^2(x+2) \geqq 0、すなわちx3−3x+2≧0x^3-3x+2 \geqq 0

因数分解ができれば簡潔に示せるけど、いつもうまく因数分解できるとは限らないよ。

微分を使う方法は汎用性が高いので、しっかり身につけておこう!

このページのまとめ

ここでは微分を利用した方程式・不等式への応用を学習しました。

方程式の実数解の個数は、y=f(x)y=f(x)のグラフとxx軸の交点の個数として求められます。

不等式の証明は、f(x)f(x)の最小値が00以上であることを増減表から示す方法が有効です。

増減表をしっかり書いてグラフの概形を把握することが、これらの問題を解くカギになりますよ!

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