このページのまとめ
先に押さえておくこと
方程式・不等式への微分の応用の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。
答えの要点
図と式の対応や答えの条件を、先に短く確認できます。
- テーマ: 関数の増減を利用した証明
- ポイント: 微分の要点を、図と式を往復しながら確認しやすい記事です。
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問題
(1) 方程式x3−3x+1=0の実数解の個数を求めよ。
(2) x≧−2のとき、不等式x3−3x+2≧0が成り立つことを証明せよ。
解説
微分を利用して方程式の実数解の個数を求めたり、不等式を証明したりする問題について解説します。
微分って、接線や極値を求めるだけじゃないんですか?
実は、微分は方程式や不等式の問題にも大活躍するんだよ。
関数の増減を調べることで、グラフの形がわかるよね。
それを使えば、方程式の解の個数や不等式の証明ができるんだ。
(1) 方程式x3−3x+1=0の実数解の個数を求めよ。
f(x)=x3−3x+1とおいて、y=f(x)のグラフとx軸の交点の個数を調べよう。
まずf(x)を微分して増減を調べるよ。
f(x)=x3−3x+1を微分すると、
f′(x)=3x2−3 =3(x2−1) =3(x+1)(x−1) f′(x)=0とおくと、x=−1,1
f′(x)=0の解が求まったので、増減表を作ればいいんですね!
極値を計算します。
f(−1)=(−1)3−3(−1)+1=−1+3+1=3(極大値)
f(1)=13−3⋅1+1=1−3+1=−1(極小値)
増減表にまとめると、
xf′(x)f(x)⋯+↗−10極大3⋯−↘10極小−1⋯+↗ グラフの概形を描くと次のようになります。
y=x3−3x+1 グラフを見てみよう。
極大値が3>0、極小値が−1<0だから、グラフはx軸を3回横切っているね。
極大値が正で極小値が負なので、x軸と3点で交わるんですね!
その通り!もう少し丁寧に確認すると、
x→−∞のときf(x)→−∞、x→+∞のときf(x)→+∞で、
極大値f(−1)=3>0、極小値f(1)=−1<0だから、
グラフの連続性からx軸との交点は3個あるとわかるよ。
よって、方程式x3−3x+1=0の実数解の個数は3個です。
(2) x≧−2のとき、不等式x3−3x+2≧0が成り立つことを証明せよ。
次は不等式の証明だよ。g(x)=x3−3x+2とおいて、x≧−2での最小値を調べよう。
g(x)=x3−3x+2を微分すると、
g′(x)=3x2−3 =3(x+1)(x−1) g′(x)=0とおくと、x=−1,1(いずれもx≧−2の範囲内)
極値と端点の値を計算します。
g(−2)=(−2)3−3(−2)+2=−8+6+2=0(端点)
g(−1)=(−1)3−3(−1)+2=−1+3+2=4(極大値)
g(1)=13−3⋅1+2=1−3+2=0(極小値)
増減表にまとめると(x≧−2の範囲で)、
xg′(x)g(x)−20⋯+↗−10極大4⋯−↘10極小0⋯+↗ y=x3−3x+2 増減表を見ると、x≧−2の範囲で最小値は0ですね!
そうだね!x=−2とx=1のときg(x)=0で、それ以外ではg(x)>0だから、
x≧−2のときg(x)≧0が成り立つよ。
増減表より、x≧−2においてg(x)の最小値は0(x=−2,1のとき)です。
したがって、x≧−2のときx3−3x+2≧0が成り立ちます。
ちなみに、因数分解を使う別解もあるよ。
x3−3x+2=(x−1)2(x+2)と因数分解できるんだ。
g(1)=0だから(x−1)が因数なんですね!
いいところに気づいたね!g(1)=0なので(x−1)は因数で、
しかもx=1は極小値0をとる点だから(x−1)2が因数になるんだよ。
【別解:因数分解による証明】
x3−3x+2=(x−1)2(x+2) x≧−2のとき、(x−1)2≧0かつ(x+2)≧0
よって(x−1)2(x+2)≧0、すなわちx3−3x+2≧0
因数分解ができれば簡潔に示せるけど、いつもうまく因数分解できるとは限らないよ。
微分を使う方法は汎用性が高いので、しっかり身につけておこう!
このページのまとめ
ここでは微分を利用した方程式・不等式への応用を学習しました。
方程式の実数解の個数は、y=f(x)のグラフとx軸の交点の個数として求められます。
不等式の証明は、f(x)の最小値が0以上であることを増減表から示す方法が有効です。
増減表をしっかり書いてグラフの概形を把握することが、これらの問題を解くカギになりますよ!