このページのまとめ
先に押さえておくこと
確率変数の和の期待値・分散の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。
答えの要点
$E(X+Y)$, $V(X+Y)$の答えと条件を先に確認できます。
- テーマ: E(X+Y), V(X+Y)
- ポイント: 統計的な推測の基礎を短く確認しやすく、検索から入ってもそのまま理解まで進めやすい記事です。
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問題
あるテストの得点Xの期待値がE(X)=60、分散がV(X)=100であるとする。また、別のテストの得点YはXと独立で、E(Y)=50、V(Y)=64とする。
(1) 全員の得点を2倍して10点加える調整を行ったとき、調整後の得点Z=2X+10の期待値E(Z)と分散V(Z)を求めよ。
(2) 2つのテストの合計点W=X+Yの期待値E(W)と分散V(W)を求めよ。
(3) さいころを2つ同時に投げるとき、出た目の和の期待値と分散を求めよ。
解説
確率変数の和や定数倍に関する期待値・分散の性質について解説します。
前回は1つの確率変数に対する期待値E(X)と分散V(X)の求め方を学びました。
今回は「定数倍して定数を足す」場合や「2つの確率変数を足す」場合に、期待値と分散がどう変わるかを学んでいきましょう。
期待値と分散って、足し算やかけ算でどう変わるんですか?
とても大事なポイントだね。まずは定数倍と定数加算の公式から確認しよう。
期待値はaもbもそのまま反映されるけど、分散はa2だけでbは消えるんですね。なぜですか?
いい質問だね!期待値は「平均的な値」だから、全体をa倍してbを足せば平均も同じように変わるよね。
一方、分散は「ばらつき」を表すから、全体にbを足しても散らばり具合は変わらない。a倍するとばらつきもa倍に広がるから、分散はa2倍になるんだ。
直感的なイメージを持っておきましょう。テストの点数Xがあるとして、
全員に
10点足す → 平均は
10点上がるが、ばらつきは変わらない
全員の点数を
2倍する → 平均も
2倍、ばらつきの幅も
2倍(分散は
4倍)
次に、2つの確率変数の和に関する公式を確認します。
期待値の方は常に成り立つけど、分散の方は「独立」のときだけなんですね。
その通り!ここが最大のポイントだよ。
期待値はXとYがどんな関係であってもE(X+Y)=E(X)+E(Y)が成り立つんだ。
でも分散は、XとYが独立でないとV(X+Y)=V(X)+V(Y)にはならないから注意してね。
では、問題を解いていきましょう。
あるテストの得点Xの期待値がE(X)=60、分散がV(X)=100であるとする。
(1) 全員の得点を2倍して10点加える調整を行ったとき、調整後の得点Z=2X+10の期待値E(Z)と分散V(Z)を求めよ。
調整後の得点Z=2X+10は、a=2、b=10の線形変換ですね。
公式に当てはめていきましょう。
期待値は、
E(Z)=E(2X+10) =2E(X)+10 =2×60+10 =130 分散は、
V(Z)=V(2X+10) =22⋅V(X) =4×100 =400 分散が100から400に増えました!+10の部分は関係ないんですね。
そうだね。点数を2倍したから、ばらつきの幅も2倍になり、分散は22=4倍になったんだ。
+10はみんなの点数を同じだけ動かしただけだから、ばらつきには影響しないよ。
(2) 2つのテストの合計点W=X+Yの期待値E(W)と分散V(W)を求めよ。
ただしXとYは独立で、E(X)=60, V(X)=100, E(Y)=50, V(Y)=64とする。
XとYは独立なので、期待値・分散ともに和の公式が使えます。
期待値は、
E(W)=E(X+Y) =E(X)+E(Y) =110 分散は、XとYが独立なので、
V(W)=V(X+Y) =V(X)+V(Y) =164 合計点の期待値は各テストの期待値の和、分散も各テストの分散の和になるんですね!
ただし、分散の方はXとYが独立だから成り立っていることを忘れないでね。
もし2つのテストの成績に関連があったら(例:国語と英語など)、分散の公式は変わってくるよ。
(3) さいころを2つ同時に投げるとき、出た目の和の期待値と分散を求めよ。
1つ目のさいころの目をX1、2つ目のさいころの目をX2とします。
さいころの出た目については、前回の内容から
E(X1)=E(X2)=27、V(X1)=V(X2)=1235
であることがわかっています。
2つのさいころは互いに独立なので、出た目の和S=X1+X2について、
期待値は、
E(S)=E(X1+X2) =E(X1)+E(X2) =27+27 分散は、X1とX2が独立なので、
V(S)=V(X1+X2) =V(X1)+V(X2) =1235+1235 =635 さいころ2つの目の和の期待値が7というのは、すごろくとかでよく聞く数字ですね!
そうだね!2つのさいころの目の和で最も出やすいのが7というのは、期待値が7であることからも納得できるよね。
ちなみに、さいころをn個投げたときも同様に、期待値は27n、分散は1235nになるよ。
このページのまとめ
ここでは確率変数の和や定数倍に対する期待値・分散の性質について学習しました。
特に重要なポイントは以下の2つです。
E(X+Y)=E(X)+E(Y)は常に成立する
V(X+Y)=V(X)+V(Y)は
Xと
Yが
独立のときのみ成立する
これらの公式は統計的な推測(正規分布、標本平均など)で繰り返し使うので、しっかり覚えてくださいね!