統計的な推測

確率変数の和の期待値・分散

$E(X+Y)$, $V(X+Y)$

統計的な推測の「確率変数の和の期待値・分散」を、答えを先に押さえてから理解できる形に整理したページです。「$E(X+Y)$, $V(X+Y)$」でつまずきやすい点も含めて、学習の流れを短く確認できます。

数学B 約14分 難易度 2

このページのまとめ

先に押さえておくこと

確率変数の和の期待値・分散の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。

答えの要点

$E(X+Y)$, $V(X+Y)$の答えと条件を先に確認できます。

  • テーマ: E(X+Y)E(X+Y), V(X+Y)V(X+Y)
  • ポイント: 統計的な推測の基礎を短く確認しやすく、検索から入ってもそのまま理解まで進めやすい記事です。
  • 次に読むなら: 関連ページ、またはアプリで類題演習

問題

あるテストの得点XXの期待値がE(X)=60E(X)=60、分散がV(X)=100V(X)=100であるとする。また、別のテストの得点YYXXと独立で、E(Y)=50E(Y)=50V(Y)=64V(Y)=64とする。

(1)(1)\quad 全員の得点を22倍して1010点加える調整を行ったとき、調整後の得点Z=2X+10Z=2X+10の期待値E(Z)E(Z)と分散V(Z)V(Z)を求めよ。

(2)(2)\quad 22つのテストの合計点W=X+YW=X+Yの期待値E(W)E(W)と分散V(W)V(W)を求めよ。

(3)(3)\quad さいころを22つ同時に投げるとき、出た目の和の期待値と分散を求めよ。

答えを見る

(1)  E(Z)=130(1)\;E(Z) = \underline{130}, V(Z)=400V(Z) = \underline{400}

(2)  E(W)=110(2)\;E(W) = \underline{110}, V(W)=164V(W) = \underline{164}

(3)  (3)\; 期待値7\underline{7}、分散356\underline{\frac{35}{6}}

解説

確率変数の和や定数倍に関する期待値・分散の性質について解説します。

前回は11つの確率変数に対する期待値E(X)E(X)と分散V(X)V(X)の求め方を学びました。

今回は「定数倍して定数を足す」場合や「22つの確率変数を足す」場合に、期待値と分散がどう変わるかを学んでいきましょう。

期待値と分散って、足し算やかけ算でどう変わるんですか?

とても大事なポイントだね。まずは定数倍と定数加算の公式から確認しよう。

期待値はaabbもそのまま反映されるけど、分散はa2a^2だけでbbは消えるんですね。なぜですか?

いい質問だね!期待値は「平均的な値」だから、全体をaa倍してbbを足せば平均も同じように変わるよね。

一方、分散は「ばらつき」を表すから、全体にbbを足しても散らばり具合は変わらない。aa倍するとばらつきもaa倍に広がるから、分散はa2a^2倍になるんだ。

直感的なイメージを持っておきましょう。テストの点数XXがあるとして、

  • 全員に1010点足す → 平均は1010点上がるが、ばらつきは変わらない
  • 全員の点数を22倍する → 平均も22倍、ばらつきの幅も22倍(分散は44倍)

次に、22つの確率変数の和に関する公式を確認します。

期待値の方は常に成り立つけど、分散の方は「独立」のときだけなんですね。

その通り!ここが最大のポイントだよ。

期待値はXXYYがどんな関係であってもE(X+Y)=E(X)+E(Y)E(X+Y) = E(X) + E(Y)が成り立つんだ。

でも分散は、XXYYが独立でないとV(X+Y)=V(X)+V(Y)V(X+Y) = V(X) + V(Y)にはならないから注意してね。

では、問題を解いていきましょう。

あるテストの得点XXの期待値がE(X)=60E(X)=60、分散がV(X)=100V(X)=100であるとする。

(1)(1)\quad 全員の得点を22倍して1010点加える調整を行ったとき、調整後の得点Z=2X+10Z=2X+10の期待値E(Z)E(Z)と分散V(Z)V(Z)を求めよ。

調整後の得点Z=2X+10Z = 2X + 10は、a=2a = 2b=10b = 10の線形変換ですね。

公式に当てはめていきましょう。

期待値は、

E(Z)=E(2X+10)E(Z) = E(2X + 10)
=2E(X)+10= 2E(X) + 10
=2×60+10= 2 \times 60 + 10
=130= \underline{130}

分散は、

V(Z)=V(2X+10)V(Z) = V(2X + 10)
=22V(X)= 2^2 \cdot V(X)
=4×100= 4 \times 100
=400= \underline{400}

分散が100100から400400に増えました!+10+10の部分は関係ないんですね。

そうだね。点数を22倍したから、ばらつきの幅も22倍になり、分散は22=42^2 = 4倍になったんだ。

+10+10はみんなの点数を同じだけ動かしただけだから、ばらつきには影響しないよ。

(2)(2)\quad 22つのテストの合計点W=X+YW=X+Yの期待値E(W)E(W)と分散V(W)V(W)を求めよ。

ただしXXYYは独立で、E(X)=60E(X)=60, V(X)=100V(X)=100, E(Y)=50E(Y)=50, V(Y)=64V(Y)=64とする。

XXYYは独立なので、期待値・分散ともに和の公式が使えます。

期待値は、

E(W)=E(X+Y)E(W) = E(X + Y)
=E(X)+E(Y)= E(X) + E(Y)
=60+50= 60 + 50
=110= \underline{110}

分散は、XXYYが独立なので、

V(W)=V(X+Y)V(W) = V(X + Y)
=V(X)+V(Y)= V(X) + V(Y)
=100+64= 100 + 64
=164= \underline{164}

合計点の期待値は各テストの期待値の和、分散も各テストの分散の和になるんですね!

ただし、分散の方はXXYYが独立だから成り立っていることを忘れないでね。

もし22つのテストの成績に関連があったら(例:国語と英語など)、分散の公式は変わってくるよ。

(3)(3)\quad さいころを22つ同時に投げるとき、出た目の和の期待値と分散を求めよ。

11つ目のさいころの目をX1X_122つ目のさいころの目をX2X_2とします。

さいころの出た目については、前回の内容から

E(X1)=E(X2)=72E(X_1) = E(X_2) = \frac{7}{2}V(X1)=V(X2)=3512V(X_1) = V(X_2) = \frac{35}{12}

であることがわかっています。

22つのさいころは互いに独立なので、出た目の和S=X1+X2S = X_1 + X_2について、

期待値は、

E(S)=E(X1+X2)E(S) = E(X_1 + X_2)
=E(X1)+E(X2)= E(X_1) + E(X_2)
=72+72= \frac{7}{2} + \frac{7}{2}
=7= \underline{7}

分散は、X1X_1X2X_2が独立なので、

V(S)=V(X1+X2)V(S) = V(X_1 + X_2)
=V(X1)+V(X2)= V(X_1) + V(X_2)
=3512+3512= \frac{35}{12} + \frac{35}{12}
=356= \underline{\frac{35}{6}}

さいころ22つの目の和の期待値が77というのは、すごろくとかでよく聞く数字ですね!

そうだね!22つのさいころの目の和で最も出やすいのが77というのは、期待値が77であることからも納得できるよね。

ちなみに、さいころをnn個投げたときも同様に、期待値は7n2\frac{7n}{2}、分散は35n12\frac{35n}{12}になるよ。

このページのまとめ

ここでは確率変数の和や定数倍に対する期待値・分散の性質について学習しました。

特に重要なポイントは以下の22つです。

  • E(X+Y)=E(X)+E(Y)E(X+Y) = E(X) + E(Y)は常に成立する
  • V(X+Y)=V(X)+V(Y)V(X+Y) = V(X) + V(Y)XXYY独立\textcolor{red}{独立}のときのみ成立する

これらの公式は統計的な推測(正規分布、標本平均など)で繰り返し使うので、しっかり覚えてくださいね!

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