統計的な推測

確率変数の期待値・分散

$E(X)$, $V(X)$, $\sigma(X)$

統計的な推測の「確率変数の期待値・分散」を、答えを先に押さえてから理解できる形に整理したページです。「$E(X)$, $V(X)$, $\sigma(X)$」でつまずきやすい点も含めて、学習の流れを短く確認できます。

数学B 約14分 難易度 2

このページのまとめ

先に押さえておくこと

確率変数の期待値・分散の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。

答えの要点

$E(X)$, $V(X)$, $\sigma(X)$の答えと条件を先に確認できます。

  • テーマ: E(X)E(X), V(X)V(X), σ(X)\sigma(X)
  • ポイント: 統計的な推測の基礎を短く確認しやすく、検索から入ってもそのまま理解まで進めやすい記事です。
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問題

さいころを11回投げるとき、出た目の数をXXとする。

(1)X(1)\quad Xの期待値E(X)E(X)を求めよ。

(2)X(2)\quad Xの分散V(X)V(X)と標準偏差σ(X)\sigma(X)を求めよ。

(3)Y=2X+3(3)\quad Y = 2X + 3のとき、E(Y)E(Y)V(Y)V(Y)を求めよ。

答えを見る

(1)  E(X)=72(1)\;E(X) = \underline{\frac{7}{2}}

(2)  V(X)=3512(2)\;V(X) = \underline{\frac{35}{12}}, σ(X)=1056\sigma(X) = \underline{\frac{\sqrt{105}}{6}}

(3)  E(Y)=10(3)\;E(Y) = \underline{10}, V(Y)=353V(Y) = \underline{\frac{35}{3}}

解説

確率変数の期待値と分散について解説します。

前回は「確率変数と確率分布」について学習しました。

今回は、確率分布の「中心」や「ばらつき」を表す指標である期待値と分散を学んでいきましょう。

期待値って、データ分析で習った「平均」と似たようなものですか?

その通り!期待値は確率分布における「平均」を表すんだ。

分散も同じように、ばらつきを表す指標だよ。

「値×\times確率」を全部足すんですね!

そうだね。期待値は「長い目で見たときの平均的な値」と考えることができるよ。

さいころを11回投げるとき、出た目の数をXXとする。

(1)X(1)\quad Xの期待値E(X)E(X)を求めよ。

さいころの目の確率分布表は次の通りです。

X123456P161616161616\Large \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|}\hline X & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 \\ \hline P & \frac{1}{6} & \frac{1}{6} & \frac{1}{6} & \frac{1}{6} & \frac{1}{6} & \frac{1}{6} \\ \hline \end{array}

期待値の公式に当てはめると、

E(X)=116+216+316+416+516+616E(X) = 1 \cdot \frac{1}{6} + 2 \cdot \frac{1}{6} + 3 \cdot \frac{1}{6} + 4 \cdot \frac{1}{6} + 5 \cdot \frac{1}{6} + 6 \cdot \frac{1}{6}
=1+2+3+4+5+66= \frac{1+2+3+4+5+6}{6}
=216=72= \frac{21}{6} = \underline{\frac{7}{2}}

3.53.5ですね。さいころの目の真ん中あたりになりました!

そうだね。さいころを何回も投げ続けると、出た目の平均は3.53.5に近づいていくんだ。

次に、分散と標準偏差について見ていきましょう。

分散の計算式が2つありますね。どちらを使えばいいですか?

実際の計算では、V(X)=E(X2){E(X)}2V(X) = E(X^2) - \{E(X)\}^2を使うことが多いよ。

この式は「X2X^2の期待値」から「XXの期待値の22乗」を引くという意味だね。

(2)X(2)\quad Xの分散V(X)V(X)と標準偏差σ(X)\sigma(X)を求めよ。

まず、E(X2)E(X^2)を求めます。

E(X2)=1216+2216+3216+4216+5216+6216E(X^2) = 1^2 \cdot \frac{1}{6} + 2^2 \cdot \frac{1}{6} + 3^2 \cdot \frac{1}{6} + 4^2 \cdot \frac{1}{6} + 5^2 \cdot \frac{1}{6} + 6^2 \cdot \frac{1}{6}
=1+4+9+16+25+366= \frac{1+4+9+16+25+36}{6}
=916= \frac{91}{6}

(1)よりE(X)=72E(X) = \frac{7}{2}なので、

V(X)=E(X2){E(X)}2V(X) = E(X^2) - \{E(X)\}^2
=916(72)2= \frac{91}{6} - \left(\frac{7}{2}\right)^2
=916494= \frac{91}{6} - \frac{49}{4}
=1821214712= \frac{182}{12} - \frac{147}{12}
=3512= \underline{\frac{35}{12}}

標準偏差は分散の正の平方根なので、

σ(X)=V(X)=3512\sigma(X) = \sqrt{V(X)} = \sqrt{\frac{35}{12}}
=3512=3523= \frac{\sqrt{35}}{\sqrt{12}} = \frac{\sqrt{35}}{2\sqrt{3}}
=35323=1056= \frac{\sqrt{35} \cdot \sqrt{3}}{2 \cdot 3} = \underline{\frac{\sqrt{105}}{6}}

標準偏差は約1.71.7くらいですね。これはどう解釈すればいいですか?

標準偏差は「平均からの典型的なずれ」を表しているんだ。

さいころの場合、出た目は平均3.53.5から約1.71.7くらい離れていることが多い、ということだね。

次に、確率変数の線形変換について学びましょう。

期待値はaabbもそのままかかるけど、分散にはbbが関係ないんですね!

いいところに気づいたね!分散は「ばらつき」を表すから、全体をbbだけ平行移動しても変わらないんだ。

一方、aa倍すると広がりもa2a^2倍になるよ。

(3)Y=2X+3(3)\quad Y = 2X + 3のとき、E(Y)E(Y)V(Y)V(Y)を求めよ。

公式を使って計算しましょう。

E(Y)=E(2X+3)E(Y) = E(2X + 3)
=2E(X)+3= 2E(X) + 3
=272+3= 2 \cdot \frac{7}{2} + 3
=7+3=10= 7 + 3 = \underline{10}
V(Y)=V(2X+3)V(Y) = V(2X + 3)
=22V(X)= 2^2 \cdot V(X)
=43512= 4 \cdot \frac{35}{12}
=353= \underline{\frac{35}{3}}

公式を使うとすごく簡単に計算できますね!

そうだね。YYの確率分布表を作り直して計算することもできるけど、公式を使った方がずっと楽だよ。

このページのまとめ

ここでは確率変数の期待値と分散について学習しました。

期待値E(X)E(X)は確率分布の「中心」、分散V(X)V(X)は「ばらつき」を表す重要な指標です。

特にE(aX+b)=aE(X)+bE(aX+b) = aE(X) + bV(aX+b)=a2V(X)V(aX+b) = a^2 V(X)の公式は頻出なので、しっかり覚えてくださいね!

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