統計的な推測

二項分布 $B(n, p)$

期待値と分散の計算

統計的な推測の「二項分布 $B(n, p)$」を、答えを先に押さえてから理解できる形に整理したページです。「期待値と分散の計算」でつまずきやすい点も含めて、学習の流れを短く確認できます。

数学B 約14分 難易度 2 図つき

このページのまとめ

先に押さえておくこと

二項分布 $B(n, p)$の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。

答えの要点

図と式の対応や答えの条件を、先に短く確認できます。

  • テーマ: 期待値と分散の計算
  • ポイント: 統計的な推測の要点を、図と式を往復しながら確認しやすい記事です。
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問題

(1)(1)\quad 1枚の硬貨を1010回投げるとき、表が出る回数をXXとする。P(X=3)P(X=3), E(X)E(X), V(X)V(X)をそれぞれ求めよ。

(2)(2)\quad ある工場で生産される製品の不良品率が5%5\%である。この製品100100個の中に含まれる不良品の個数をYYとするとき、E(Y)E(Y), V(Y)V(Y), σ(Y)\sigma(Y)を求めよ。

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(1)  (1)\; P(X=3)=15128P(X=3) = \underline{\frac{15}{128}}, E(X)=5E(X) = \underline{5}, V(X)=52V(X) = \underline{\frac{5}{2}}

(2)  (2)\; E(Y)=5E(Y) = \underline{5}, V(Y)=4.75V(Y) = \underline{4.75}, σ(Y)=192\sigma(Y) = \underline{\frac{\sqrt{19}}{2}}

解説

二項分布B(n,p)B(n, p)の問題について解説します。

二項分布ってなんですか?

「成功か失敗か」の試行を繰り返したとき、成功する回数がどんな確率分布になるかを表すものだよ。

コイン投げが典型的な例だね。

同じ条件の試行を独立にnn回繰り返し、1回の試行で事象AAが起こる確率をppとします。このとき、AAが起こる回数XXの確率分布を二項分布\textcolor{red}{二項分布}といい、XB(n,p)X \sim B(n, p)と表します。

この式はどういう意味ですか?

nn回中kk回成功するパターンがnCk{}_n \mathrm{C}_k通り、

成功kk回の確率がpkp^k、失敗(nk)(n-k)回の確率が(1p)nk(1-p)^{n-k}

これらを掛け合わせたものだよ。反復試行の確率そのものだね!

二項分布には、期待値と分散を簡単に求められる公式があります。

E(X)=npE(X) = npはなぜ成り立つんですか?

直感的に考えてみよう。1回の試行で確率ppで成功するなら、1回あたり「平均pp回」成功するよね。

それをnn回繰り返すから、合計の平均はn×p=npn \times p = np回になるんだ。

厳密には、各試行の成功回数XiX_iの期待値がE(Xi)=pE(X_i)=pで、X=X1+X2++XnX = X_1 + X_2 + \cdots + X_nなのでE(X)=npE(X) = npと導けるよ。

なるほど!1回の期待値がppで、それをnn回分足すんですね。

分散も同じ考え方だよ。1回の試行の分散がp(1p)p(1-p)で、独立なnn回分を足すからV(X)=np(1p)V(X) = np(1-p)になるんだ。

では、問題を解いていきましょう。

(1)(1)\quad 1枚の硬貨を1010回投げるとき、表が出る回数をXXとする。P(X=3)P(X=3), E(X)E(X), V(X)V(X)をそれぞれ求めよ。

硬貨を1回投げて表が出る確率はp=12p = \frac{1}{2}、試行回数はn=10n = 10です。

したがって、XXは二項分布B(10,12)B\left(10, \frac{1}{2}\right)に従います。

まずP(X=3)P(X=3)を求めます。確率質量関数にn=10,k=3,p=12n=10, k=3, p=\frac{1}{2}を代入すると、

P(X=3)P(X=3)
=10C3(12)3(12)7= {}_{10} \mathrm{C}_3 \left(\frac{1}{2}\right)^3 \left(\frac{1}{2}\right)^{7}
=10C31210= {}_{10} \mathrm{C}_3 \cdot \frac{1}{2^{10}}
=120×11024= 120 \times \frac{1}{1024}
=1201024=15128= \frac{120}{1024} = \underline{\frac{15}{128}}

10C3=1098321=120{}_{10}\mathrm{C}_3 = \frac{10 \cdot 9 \cdot 8}{3 \cdot 2 \cdot 1} = 120 だよ。p=12p = \frac{1}{2}のときはpk(1p)nk=12np^k(1-p)^{n-k} = \frac{1}{2^n}となるから計算が楽だね。

次に、期待値と分散を公式で求めます。

期待値: E(X)=np=10×12=5E(X) = np = 10 \times \frac{1}{2} = \underline{5}

分散: V(X)=np(1p)=10×12×12=52V(X) = np(1-p) = 10 \times \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \underline{\frac{5}{2}}

期待値55って、10回投げたら平均して5回表が出るってことですね!

その通り!この二項分布B(10,12)B\left(10, \frac{1}{2}\right)の確率分布を見てみよう。

0 100 200 1 10 45 120 210 252 210 120 45 10 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

グラフを見ると、X=5X=5のあたりが最も確率が高くなっていて、左右対称になっているね。

これはp=12p=\frac{1}{2}で表と裏の出やすさが同じだからだよ。

(2)(2)\quad ある工場で生産される製品の不良品率が5%5\%である。この製品100100個の中に含まれる不良品の個数をYYとするとき、E(Y)E(Y), V(Y)V(Y), σ(Y)\sigma(Y)を求めよ。

1個の製品が不良品である確率はp=0.05p = 0.05、個数はn=100n = 100です。

各製品が不良品かどうかは独立であると考えられるので、YYは二項分布B(100,0.05)B(100, 0.05)に従います。

P(Y=k)P(Y=k)を計算するのは大変そうですね...

確率を一つずつ計算するのは確かに大変だけど、期待値・分散・標準偏差は公式を使えば一瞬だよ!

公式にn=100,p=0.05n=100, p=0.05を代入します。

期待値: E(Y)=np=100×0.05=5E(Y) = np = 100 \times 0.05 = \underline{5}

分散: V(Y)=np(1p)=100×0.05×0.95=4.75V(Y) = np(1-p) = 100 \times 0.05 \times 0.95 = \underline{4.75}

標準偏差: σ(Y)=V(Y)=4.75\sigma(Y) = \sqrt{V(Y)} = \sqrt{4.75}

=194=192= \sqrt{\frac{19}{4}} = \underline{\frac{\sqrt{19}}{2}}

100個中の不良品は平均55個で、標準偏差は約2.182.18個ということですね。

そうだね。つまり、大体5±25 \pm 2個くらいの範囲に不良品の個数が収まることが多いということだよ。

このように二項分布を使えば、実際の場面での「ばらつき」も定量的に評価できるんだ。

上のグラフはB(100,0.05)B(100, 0.05)を正規分布で近似したものだよ。nnが大きいとき、二項分布は正規分布に近づくんだ。色が付いた部分が平均±\pm標準偏差の範囲で、約68%68\%の確率がこの中に含まれるよ。

このページのまとめ

ここでは二項分布B(n,p)B(n, p)について学習しました。

確率P(X=k)=nCkpk(1p)nkP(X=k) = {}_n \mathrm{C}_k \, p^k (1-p)^{n-k}の公式と、期待値E(X)=npE(X)=np、分散V(X)=np(1p)V(X)=np(1-p)はどれも重要です。

二項分布は統計学の基礎となる分布なので、しっかりマスターしてくださいね!

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