このページのまとめ
先に押さえておくこと
母平均の点推定の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。
答えの要点
標本平均による推定の答えと条件を先に確認できます。
- テーマ: 標本平均による推定
- ポイント: 統計的な推測の基礎を短く確認しやすく、検索から入ってもそのまま理解まで進めやすい記事です。
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問題
ある工場で大量に生産されている製品の重さ(g)を調べるため、無作為に5個の製品を取り出したところ、重さは次のようであった。
102,98,105,100,95 (1) 母平均μの点推定値を求めよ。
(2) 母分散σ2の不偏推定値を求めよ。
解説
母平均の点推定について解説します。
「点推定」って何ですか?区間推定とは違うんですか?
いい質問だね。点推定は、母平均μなどの母集団の特性値を1つの値で推定する方法だよ。
一方、区間推定は「μはこの範囲にあるだろう」と区間で推定する方法なんだ。
まずは点推定の基本を理解しよう!
標本平均をそのまま母平均の推定値にしていいんですか?根拠はあるんですか?
ちゃんとした根拠があるよ。標本平均Xˉの期待値はE(Xˉ)=μ、つまり母平均μと一致するんだ。
何度も標本を取ってその都度Xˉを計算すると値は毎回変わるけれど、平均的にはμの周りにばらつくんだよ。系統的に大きくなったり小さくなったりはしない。これが「不偏(偏りがない)」ということなんだ。
では、問題を解いていきましょう。
ある工場で大量に生産されている製品の重さ(g)を調べるため、無作為に5個の製品を取り出したところ、重さは102,98,105,100,95であった。
(1) 母平均μの点推定値を求めよ。
母平均μの点推定値は標本平均Xˉです。n=5個のデータの平均を計算しましょう。
Xˉ=51(102+98+105+100+95) =5500 =100(g)
よって、母平均μの点推定値は100(g)です。
標本平均の計算は基本だね。ここまでは特に難しくないはずだよ。
(2) 母分散σ2の不偏推定値を求めよ。
母分散の推定値は、普通の分散を計算すればいいんですか?
実はそこに注意が必要なんだ。データから計算する普通の分散(nで割るもの)は、母分散より小さくなってしまう傾向があるんだよ。
そこで、nではなくn−1で割った不偏分散を使うんだ。
なぜn−1で割ると不偏になるんですか?
直感的には、Xˉを計算するのにデータを1つ分使っているから、偏差の「自由に動ける個数」がnではなくn−1になるんだ。これを自由度というよ。
「n−1で割ると期待値がぴったりσ2になる」ということを覚えておこう。
では、不偏分散を計算しましょう。(1)よりXˉ=100なので、各データの偏差は
X1−Xˉ=102−100=2 X2−Xˉ=98−100=−2 X3−Xˉ=105−100=5 X4−Xˉ=100−100=0 X5−Xˉ=95−100=−5 偏差の2乗の和は
i=1∑5(Xi−Xˉ)2=22+(−2)2+52+02+(−5)2 =4+4+25+0+25=58 よって、不偏分散は
s2=5−11×58=458=14.5 ちなみに、もしn=5で割ると558=11.6になるよ。n−1で割った方が大きくなるのは、標本分散の「過小評価」を補正しているからなんだ。
なるほど!nで割ると小さくなりすぎるから、n−1で割って補正するんですね。
その通り!不偏分散の考え方は区間推定や検定でも使うから、しっかり理解しておこうね。
このページのまとめ
ここでは母平均の点推定について学習しました。
ポイントをまとめると、
母平均
μの点推定値として
標本平均 Xˉを用いる
期待値が母数と一致する推定量を
不偏推定量という
母分散
σ2の不偏推定量は
不偏分散 s2=n−11∑(Xi−Xˉ)2(
n−1で割る)
点推定は区間推定の基礎になる重要な概念です。特に不偏分散で「n−1で割る」ことを忘れないようにしましょう!