統計的な推測

母平均の点推定

標本平均による推定

統計的な推測の「母平均の点推定」を、答えを先に押さえてから理解できる形に整理したページです。「標本平均による推定」でつまずきやすい点も含めて、学習の流れを短く確認できます。

数学B 約12分 難易度 1

このページのまとめ

先に押さえておくこと

母平均の点推定の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。

答えの要点

標本平均による推定の答えと条件を先に確認できます。

  • テーマ: 標本平均による推定
  • ポイント: 統計的な推測の基礎を短く確認しやすく、検索から入ってもそのまま理解まで進めやすい記事です。
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問題

ある工場で大量に生産されている製品の重さ(g)を調べるため、無作為に55個の製品を取り出したところ、重さは次のようであった。

102,  98,  105,  100,  95102, \; 98, \; 105, \; 100, \; 95

(1)(1)\quad 母平均μ\muの点推定値を求めよ。

(2)(2)\quad 母分散σ2\sigma^2の不偏推定値を求めよ。

答えを見る

(1)  (1)\; Xˉ=100\underline{\bar{X} = 100}(g)

(2)  (2)\; s2=14.5\underline{s^2 = 14.5}

解説

母平均の点推定について解説します。

「点推定」って何ですか?区間推定とは違うんですか?

いい質問だね。点推定\textcolor{red}{点推定}は、母平均μ\muなどの母集団の特性値を11つの値で推定する方法だよ。

一方、区間推定\textcolor{red}{区間推定}は「μ\muはこの範囲にあるだろう」と区間で推定する方法なんだ。

まずは点推定の基本を理解しよう!

標本平均をそのまま母平均の推定値にしていいんですか?根拠はあるんですか?

ちゃんとした根拠があるよ。標本平均Xˉ\bar{X}の期待値はE(Xˉ)=μE(\bar{X}) = \mu、つまり母平均μ\muと一致するんだ。

何度も標本を取ってその都度Xˉ\bar{X}を計算すると値は毎回変わるけれど、平均的にはμ\muの周りにばらつくんだよ。系統的に大きくなったり小さくなったりはしない。これが「不偏\textcolor{red}{不偏}(偏りがない)」ということなんだ。

では、問題を解いていきましょう。

ある工場で大量に生産されている製品の重さ(g)を調べるため、無作為に55個の製品を取り出したところ、重さは102,  98,  105,  100,  95102, \; 98, \; 105, \; 100, \; 95であった。

(1)(1)\quad 母平均μ\muの点推定値を求めよ。

母平均μ\muの点推定値は標本平均Xˉ\bar{X}です。n=5n = 5個のデータの平均を計算しましょう。

Xˉ=15(102+98+105+100+95)\bar{X} = \frac{1}{5}(102 + 98 + 105 + 100 + 95)
=5005= \frac{500}{5}

=100= \underline{100}(g)

よって、母平均μ\muの点推定値は100\underline{100}(g)です。

標本平均の計算は基本だね。ここまでは特に難しくないはずだよ。

(2)(2)\quad 母分散σ2\sigma^2の不偏推定値を求めよ。

母分散の推定値は、普通の分散を計算すればいいんですか?

実はそこに注意が必要なんだ。データから計算する普通の分散(nnで割るもの)は、母分散より小さくなってしまう傾向があるんだよ。

そこで、nnではなくn1\textcolor{red}{n-1}で割った不偏分散\textcolor{red}{不偏分散}を使うんだ。

なぜn1n-1で割ると不偏になるんですか?

直感的には、Xˉ\bar{X}を計算するのにデータを11つ分使っているから、偏差の「自由に動ける個数」がnnではなくn1n-1になるんだ。これを自由度\textcolor{red}{自由度}というよ。

n1n-1で割ると期待値がぴったりσ2\sigma^2になる」ということを覚えておこう。

では、不偏分散を計算しましょう。(1)(1)よりXˉ=100\bar{X} = 100なので、各データの偏差は

X1Xˉ=102100=2X_1 - \bar{X} = 102 - 100 = 2
X2Xˉ=98100=2X_2 - \bar{X} = 98 - 100 = -2
X3Xˉ=105100=5X_3 - \bar{X} = 105 - 100 = 5
X4Xˉ=100100=0X_4 - \bar{X} = 100 - 100 = 0
X5Xˉ=95100=5X_5 - \bar{X} = 95 - 100 = -5

偏差の22乗の和は

i=15(XiXˉ)2=22+(2)2+52+02+(5)2\sum_{i=1}^{5}(X_i - \bar{X})^2 = 2^2 + (-2)^2 + 5^2 + 0^2 + (-5)^2
=4+4+25+0+25=58= 4 + 4 + 25 + 0 + 25 = 58

よって、不偏分散は

s2=151×58=584=14.5s^2 = \frac{1}{5-1} \times 58 = \frac{58}{4} = \underline{14.5}

ちなみに、もしn=5n = 5で割ると585=11.6\frac{58}{5} = 11.6になるよ。n1n-1で割った方が大きくなるのは、標本分散の「過小評価」を補正しているからなんだ。

なるほど!nnで割ると小さくなりすぎるから、n1n-1で割って補正するんですね。

その通り!不偏分散の考え方は区間推定や検定でも使うから、しっかり理解しておこうね。

このページのまとめ

ここでは母平均の点推定について学習しました。

ポイントをまとめると、

  • 母平均μ\muの点推定値として標本平均\textcolor{red}{標本平均} Xˉ\bar{X}を用いる
  • 期待値が母数と一致する推定量を不偏推定量\textcolor{red}{不偏推定量}という
  • 母分散σ2\sigma^2の不偏推定量は不偏分散\textcolor{red}{不偏分散} s2=1n1(XiXˉ)2s^2 = \frac{1}{n-1}\sum(X_i - \bar{X})^2n1n-1で割る)

点推定は区間推定の基礎になる重要な概念です。特に不偏分散で「n1n-1で割る」ことを忘れないようにしましょう!

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