このページのまとめ
先に押さえておくこと
標本平均の分布の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。
答えの要点
図と式の対応や答えの条件を、先に短く確認できます。
- テーマ: 標本平均の期待値と分散
- ポイント: 統計的な推測の要点を、図と式を往復しながら確認しやすい記事です。
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問題
ある母集団の母平均がμ=50、母標準偏差がσ=12であるとする。この母集団から大きさn=36の標本を無作為抽出するとき、
(1) 標本平均Xの期待値E(X)を求めよ。
(2) 標本平均Xの分散V(X)を求めよ。
(3) 標本平均Xの標準偏差(標準誤差)を求めよ。
解説
標本平均の分布について解説します。
母集団から無作為に取り出したデータの平均のことだよ。
同じ母集団から標本を取り出しても、取り出すたびに標本平均の値は変わるよね。だから標本平均も1つの確率変数として扱えるんだ。
まず、標本平均の定義を確認しましょう。
標本平均の期待値や分散はどうやって求めるんですか?
これがとても重要なポイントだよ。標本平均の期待値と分散には、以下の公式が成り立つんだ。
E(X)=μということは、標本平均の期待値は母平均と同じなんですね!
その通り!これは標本平均が母平均の不偏推定量であることを意味しているんだ。
また、V(X)=nσ2から、サンプルサイズnが大きくなるほど分散が小さくなることも重要なポイントだよ。
では、問題を解いていきましょう。
(1) 標本平均Xの期待値E(X)を求めよ。
公式より、標本平均の期待値は母平均と等しいので、
E(X)=μ=50 期待値はサンプルサイズnに関係なく、常に母平均μと一致するよ。
(2) 標本平均Xの分散V(X)を求めよ。
公式V(X)=nσ2を使います。
母標準偏差σ=12なので、母分散はσ2=144です。
=nσ2 =36144 分散が144から4に小さくなりましたね!
そう!サンプルサイズn=36で割っているからね。
サンプルサイズを大きくするほど、標本平均のばらつきは小さくなるんだ。これが統計的推測の基本的な考え方だよ。
これをグラフで視覚化してみましょう。
標本平均の分布と母集団の分布
母集団
標本平均
そうだね。n=36のとき、標準偏差が61になっているから、分布がとても鋭くなっているんだ。
これは、多くの標本を取るほど、標本平均が母平均の近くに集中することを意味しているよ。
(3) 標本平均Xの標準偏差(標準誤差)を求めよ。
標本平均の標準偏差は標準誤差とも呼ばれます。
σ(X) =nσ =3612 (2)で求めた分散V(X)=4の平方根を取っても同じ結果になるよ。
4=2だね。
X=n1(X1+X2+⋯+Xn)について、
期待値の線形性より
E(X)=n1(E(X1)+⋯+E(Xn))=n1⋅nμ=μ
Xiが独立なら
V(X)=n21(V(X1)+⋯+V(Xn))=n21⋅nσ2=nσ2
分散の場合、n1が2乗されてn21になることに注意してね!
このページのまとめ
ここでは標本平均の分布について学習しました。
重要なポイントをまとめると、
E(X)=μ(標本平均の期待値は母平均に等しい)
V(X)=nσ2(サンプルサイズが大きいほど分散は小さい)
標準誤差
=nσ
これらの公式は区間推定や仮説検定の基礎となる重要な内容です。しっかり理解しておきましょう!