統計的な推測

標本平均の分布

標本平均の期待値と分散

統計的な推測の「標本平均の分布」を、答えを先に押さえてから理解できる形に整理したページです。「標本平均の期待値と分散」でつまずきやすい点も含めて、学習の流れを短く確認できます。

数学B 約12分 難易度 2 図つき

このページのまとめ

先に押さえておくこと

標本平均の分布の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。

答えの要点

図と式の対応や答えの条件を、先に短く確認できます。

  • テーマ: 標本平均の期待値と分散
  • ポイント: 統計的な推測の要点を、図と式を往復しながら確認しやすい記事です。
  • 次に読むなら: 関連ページ、またはアプリで類題演習

問題

ある母集団の母平均がμ=50\mu = 50、母標準偏差がσ=12\sigma = 12であるとする。この母集団から大きさn=36n=36の標本を無作為抽出するとき、

(1)(1)\quad 標本平均X\overline{X}の期待値E(X)E(\overline{X})を求めよ。

(2)(2)\quad 標本平均X\overline{X}の分散V(X)V(\overline{X})を求めよ。

(3)(3)\quad 標本平均X\overline{X}の標準偏差(標準誤差)を求めよ。

答えを見る

(1)  (1)\; E(X)=50E(\overline{X}) = \underline{50}

(2)  (2)\; V(X)=4V(\overline{X}) = \underline{4}

(3)  (3)\; 標準誤差 =2= \underline{2}

解説

標本平均の分布について解説します。

標本平均ってなんですか?

母集団から無作為に取り出したデータの平均のことだよ。

同じ母集団から標本を取り出しても、取り出すたびに標本平均の値は変わるよね。だから標本平均も1つの確率変数として扱えるんだ。

まず、標本平均の定義を確認しましょう。

標本平均の期待値や分散はどうやって求めるんですか?

これがとても重要なポイントだよ。標本平均の期待値と分散には、以下の公式が成り立つんだ。

E(X)=μE(\overline{X}) = \muということは、標本平均の期待値は母平均と同じなんですね!

その通り!これは標本平均が母平均の不偏推定量\textcolor{red}{不偏推定量}であることを意味しているんだ。

また、V(X)=σ2nV(\overline{X}) = \frac{\sigma^2}{n}から、サンプルサイズnnが大きくなるほど分散が小さくなることも重要なポイントだよ。


では、問題を解いていきましょう。

(1)(1)\quad 標本平均X\overline{X}の期待値E(X)E(\overline{X})を求めよ。

公式より、標本平均の期待値は母平均と等しいので、

E(X)=μ=50E(\overline{X}) = \mu = \underline{50}

期待値はサンプルサイズnnに関係なく、常に母平均μ\muと一致するよ。

(2)(2)\quad 標本平均X\overline{X}の分散V(X)V(\overline{X})を求めよ。

公式V(X)=σ2nV(\overline{X}) = \frac{\sigma^2}{n}を使います。

母標準偏差σ=12\sigma = 12なので、母分散はσ2=144\sigma^2 = 144です。

V(X)V(\overline{X})
=σ2n= \frac{\sigma^2}{n}
=14436= \frac{144}{36}
=4= \underline{4}

分散が144144から44に小さくなりましたね!

そう!サンプルサイズn=36n=36で割っているからね。

サンプルサイズを大きくするほど、標本平均のばらつきは小さくなるんだ。これが統計的推測の基本的な考え方だよ。

これをグラフで視覚化してみましょう。

標本平均の分布と母集団の分布
母集団
標本平均

標本平均の分布はすごく狭くなっていますね!

そうだね。n=36n=36のとき、標準偏差が16\frac{1}{6}になっているから、分布がとても鋭くなっているんだ。

これは、多くの標本を取るほど、標本平均が母平均の近くに集中することを意味しているよ。

(3)(3)\quad 標本平均X\overline{X}の標準偏差(標準誤差)を求めよ。

標本平均の標準偏差は標準誤差\textcolor{red}{標準誤差}とも呼ばれます。

σ(X)\sigma(\overline{X})
=σn= \frac{\sigma}{\sqrt{n}}
=1236= \frac{12}{\sqrt{36}}
=126= \frac{12}{6}
=2= \underline{2}

(2)(2)で求めた分散V(X)=4V(\overline{X}) = 4の平方根を取っても同じ結果になるよ。

4=2\sqrt{4} = 2だね。


これらの公式はどうやって導かれるんですか?

期待値と分散の性質を使うんだ。簡単に説明するね。

X=1n(X1+X2++Xn)\overline{X} = \frac{1}{n}(X_1 + X_2 + \cdots + X_n)について、

  • 期待値の線形性よりE(X)=1n(E(X1)++E(Xn))=1nnμ=μE(\overline{X}) = \frac{1}{n}(E(X_1) + \cdots + E(X_n)) = \frac{1}{n} \cdot n\mu = \mu
  • XiX_iが独立ならV(X)=1n2(V(X1)++V(Xn))=1n2nσ2=σ2nV(\overline{X}) = \frac{1}{n^2}(V(X_1) + \cdots + V(X_n)) = \frac{1}{n^2} \cdot n\sigma^2 = \frac{\sigma^2}{n}

分散の場合、1n\frac{1}{n}が2乗されて1n2\frac{1}{n^2}になることに注意してね!

このページのまとめ

ここでは標本平均の分布について学習しました。

重要なポイントをまとめると、

  • E(X)=μE(\overline{X}) = \mu(標本平均の期待値は母平均に等しい)
  • V(X)=σ2nV(\overline{X}) = \frac{\sigma^2}{n}(サンプルサイズが大きいほど分散は小さい)
  • 標準誤差 =σn= \frac{\sigma}{\sqrt{n}}

これらの公式は区間推定や仮説検定の基礎となる重要な内容です。しっかり理解しておきましょう!

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