このページのまとめ
先に押さえておくこと
母比率の推定・検定の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。
答えの要点
図と式の対応や答えの条件を、先に短く確認できます。
- テーマ: 比率の信頼区間
- ポイント: 統計的な推測の要点を、図と式を往復しながら確認しやすい記事です。
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問題
ある市で無作為に400人を選び、新しい市の施策に賛成かどうかを調査したところ、賛成と答えた人は220人であった。
(1) この市の全住民のうち、施策に賛成する人の比率pを点推定せよ。
(2) 母比率pの95%信頼区間を求めよ。
解説
母比率の推定について解説します。
母比率って何ですか?母平均との違いがよくわからないんですが...
いい質問だね!母平均は「平均値」を推定するのに対して、母比率は「ある性質を持つものの割合」を推定するんだ。
例えば、世論調査で「賛成の人の割合」を調べるときに使うよ。
(1) この市の全住民のうち、施策に賛成する人の比率pを点推定せよ。
点推定とは、標本から得られたデータを使って、母比率を1つの値で推定することだよ。
標本の大きさはn=400人、賛成した人はX=220人なので、
標本比率は p^=nX=400220=0.55
標本比率をそのまま母比率の推定値にしていいんですか?
その通り!標本比率p^は母比率pの不偏推定量なんだ。
だからp^=0.55が母比率pの点推定値になるよ。
(2) 母比率pの95%信頼区間を求めよ。
母平均の信頼区間と似た考え方だよ。まず、標本比率p^がどんな分布に従うか確認しよう。
標本比率p^の分布をグラフで見てみよう。
95%信頼区間は、標準正規分布で±1.96の範囲に対応するよ。
グラフの塗りつぶされた部分が95%の範囲を表しています。両端の±1.96がちょうど95%をカバーする値です。
公式の中にpではなくp^が入っていますね。
いいところに気づいたね!本来はpを使いたいけど、pは未知だからp^で代用しているんだ。
nが大きければこの近似は十分正確だよ。
では、具体的に計算してみましょう。
p^=0.55、n=400より、
np^(1−p^) =4000.55×0.45 =4000.2475 =0.00061875 ≒0.0249 95%信頼区間は、
0.55−1.96×0.0249≦p≦0.55+1.96×0.0249 0.55−0.0488≦p≦0.55+0.0488 0.501≦p≦0.599 つまり、95%の確率で母比率pは0.501から0.599の間にあると推定できるんだ。
この信頼区間をグラフで視覚化してみましょう。
標本比率0.55を中心に、0.501から0.599の範囲が信頼区間になっているんですね!
グラフで見ると、ほとんどの面積がこの範囲に入っていることがわかります。
サンプルサイズを増やすと信頼区間はどうなりますか?
いい質問だね!公式を見てみよう。
標準偏差の式の分母にnがあるから、nが大きくなるほど信頼区間の幅は狭くなるよ。
例えば、今回の調査でn=400からn=1600に増やすと、
信頼区間の幅は 41=21倍になる。
つまり、より精度の高い推定ができるようになります。
あるよ!例えば「この施策の賛成率は50%を超えているか」という仮説を検定できるんだ。
考え方は母平均の検定と同じだよ。
検定では、帰無仮説のもとでのp0を使って標準偏差を計算するところがポイントだよ。
信頼区間ではp^を使ったけど、検定では仮説の値p0を使うんだ。
このページのまとめ
ここでは母比率の推定について学習しました。
母比率の点推定には標本比率p^=nXを、95%信頼区間には公式p^±1.96np^(1−p^)を使います。
世論調査や品質管理など、実生活でも広く使われる重要な手法なので、しっかりマスターしてくださいね!