統計的な推測

母比率の推定・検定

比率の信頼区間

統計的な推測の「母比率の推定・検定」を、答えを先に押さえてから理解できる形に整理したページです。「比率の信頼区間」でつまずきやすい点も含めて、学習の流れを短く確認できます。

数学B 約12分 難易度 2 図つき

このページのまとめ

先に押さえておくこと

母比率の推定・検定の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。

答えの要点

図と式の対応や答えの条件を、先に短く確認できます。

  • テーマ: 比率の信頼区間
  • ポイント: 統計的な推測の要点を、図と式を往復しながら確認しやすい記事です。
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問題

ある市で無作為に400人を選び、新しい市の施策に賛成かどうかを調査したところ、賛成と答えた人は220人であった。

(1)(1)\quad この市の全住民のうち、施策に賛成する人の比率ppを点推定せよ。

(2)(2)\quad 母比率ppの95%信頼区間を求めよ。

答えを見る

(1)  (1)\; 母比率ppの点推定値は p^=220400=0.55\hat{p} = \frac{220}{400} = \underline{0.55}

(2)  (2)\; 95%信頼区間は 0.501p0.599\underline{0.501 \leqq p \leqq 0.599}

解説

母比率の推定について解説します。

母比率って何ですか?母平均との違いがよくわからないんですが...

いい質問だね!母平均は「平均値」を推定するのに対して、母比率は「ある性質を持つものの割合」を推定するんだ。

例えば、世論調査で「賛成の人の割合」を調べるときに使うよ。

(1)(1)\quad この市の全住民のうち、施策に賛成する人の比率ppを点推定せよ。

点推定とは、標本から得られたデータを使って、母比率を1つの値で推定することだよ。

標本の大きさはn=400n = 400人、賛成した人はX=220X = 220人なので、

標本比率は p^=Xn=220400=0.55\hat{p} = \frac{X}{n} = \frac{220}{400} = \underline{0.55}

標本比率をそのまま母比率の推定値にしていいんですか?

その通り!標本比率p^\hat{p}は母比率ppの不偏推定量なんだ。

だからp^=0.55\hat{p} = 0.55が母比率ppの点推定値になるよ。

(2)(2)\quad 母比率ppの95%信頼区間を求めよ。

信頼区間はどうやって求めるんですか?

母平均の信頼区間と似た考え方だよ。まず、標本比率p^\hat{p}がどんな分布に従うか確認しよう。

標本比率p^\hat{p}の分布をグラフで見てみよう。

95%信頼区間は、標準正規分布で±1.96\pm 1.96の範囲に対応するよ。

-4 -2 0 2 4

グラフの塗りつぶされた部分が95%の範囲を表しています。両端の±1.96\pm 1.96がちょうど95%をカバーする値です。

公式の中にppではなくp^\hat{p}が入っていますね。

いいところに気づいたね!本来はppを使いたいけど、ppは未知だからp^\hat{p}で代用しているんだ。

nnが大きければこの近似は十分正確だよ。

では、具体的に計算してみましょう。

p^=0.55\hat{p} = 0.55n=400n = 400より、

p^(1p^)n\sqrt{\frac{\hat{p}(1-\hat{p})}{n}}
=0.55×0.45400= \sqrt{\frac{0.55 \times 0.45}{400}}
=0.2475400= \sqrt{\frac{0.2475}{400}}
=0.00061875= \sqrt{0.00061875}
0.0249\fallingdotseq 0.0249

95%信頼区間は、

0.551.96×0.0249p0.55+1.96×0.02490.55 - 1.96 \times 0.0249 \leqq p \leqq 0.55 + 1.96 \times 0.0249
0.550.0488p0.55+0.04880.55 - 0.0488 \leqq p \leqq 0.55 + 0.0488
0.501p0.599\underline{0.501 \leqq p \leqq 0.599}

つまり、95%の確率で母比率pp0.5010.501から0.5990.599の間にあると推定できるんだ。

この信頼区間をグラフで視覚化してみましょう。

0.5 0.55 0.6

標本比率0.550.55を中心に、0.5010.501から0.5990.599の範囲が信頼区間になっているんですね!

グラフで見ると、ほとんどの面積がこの範囲に入っていることがわかります。


サンプルサイズを増やすと信頼区間はどうなりますか?

いい質問だね!公式を見てみよう。

標準偏差の式の分母にn\sqrt{n}があるから、nnが大きくなるほど信頼区間の幅は狭くなるよ。

例えば、今回の調査でn=400n = 400からn=1600n = 1600に増やすと、

信頼区間の幅は 14=12\frac{1}{\sqrt{4}} = \frac{1}{2}倍になる。

つまり、より精度の高い推定ができるようになります。


母比率の検定というのもあるんですか?

あるよ!例えば「この施策の賛成率は50%を超えているか」という仮説を検定できるんだ。

考え方は母平均の検定と同じだよ。

検定では、帰無仮説のもとでのp0p_0を使って標準偏差を計算するところがポイントだよ。

信頼区間ではp^\hat{p}を使ったけど、検定では仮説の値p0p_0を使うんだ。

このページのまとめ

ここでは母比率の推定について学習しました。

母比率の点推定には標本比率p^=Xn\hat{p} = \frac{X}{n}を、95%信頼区間には公式p^±1.96p^(1p^)n\hat{p} \pm 1.96\sqrt{\frac{\hat{p}(1-\hat{p})}{n}}を使います。

世論調査や品質管理など、実生活でも広く使われる重要な手法なので、しっかりマスターしてくださいね!

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