このページのまとめ
先に押さえておくこと
正規分布 $N(\mu, \sigma^2)$の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。
答えの要点
図と式の対応や答えの条件を、先に短く確認できます。
- テーマ: 標準化と正規分布表
- ポイント: 統計的な推測の要点を、図と式を往復しながら確認しやすい記事です。
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問題
ある学校の数学のテストの点数Xは、平均50点、標準偏差10点の正規分布N(50,102)に従うとする。次の問いに答えよ。ただし、正規分布表よりP(0≦Z≦1.5)=0.4332, P(0≦Z≦2.0)=0.4772とする。
(1) Xを標準化した確率変数Zを求めよ。
(2) 30点以上70点以下の生徒は全体の約何%か。
(3) 65点以上の生徒は全体の約何%か。
解説
正規分布N(μ,σ2)の問題について解説します。
正規分布は、統計学で最も重要な確率分布だよ。
テストの点数や身長、製品の重さなど、多くの自然現象・社会現象のデータがこの分布に従うんだ。
正規分布のグラフを見てみよう。
平均μ=50、標準偏差σ=10の正規分布N(50,102)だよ。
きれいな山の形ですね!
平均の50を頂点として左右対称になっています。
正規分布には「68−95−99.7ルール」という便利な目安があるよ。
ほとんどのデータが平均から3σ以内に入るんですね!
その通り!でも、正規分布の確率を正確に求めるには正規分布表を使う必要があるよ。
そのために「標準化」という操作が必要なんだ。
正規分布N(μ,σ2)には無数の種類がありますが、正規分布表はN(0,1)(標準正規分布)のものしかありません。
そこで、どんな正規分布でもN(0,1)に変換する操作が標準化です。
標準化のイメージは、「平均を0に、標準偏差を1にずらす」ということだよ。
まずμを引いて中心を0にして、次にσで割って幅を1にするんだ。
それでは問題を解いていきましょう。
テストの点数X∼N(50,102)について
(1) Xを標準化した確率変数Zを求めよ。
標準化の公式Z=σX−μにμ=50、σ=10を代入します。
Z=10X−50 よって、答えはZ=10X−50です。
例えばX=70(70点)のときZ=1070−50=2となるね。
これは「平均から標準偏差2個分だけ上にある」という意味だよ。
(2) 30点以上70点以下の生徒は全体の約何%か。
求める確率はP(30≦X≦70)です。
Xの値をそれぞれ標準化すると、
X=30のとき、Z=1030−50=−2
X=70のとき、Z=1070−50=2
よって、P(30≦X≦70)=P(−2≦Z≦2)
グラフで確認してみよう。塗りつぶした部分が求める確率だよ。
正規分布表はP(0≦Z≦z)の値しか載っていないんですよね。P(−2≦Z≦2)はどう求めるんですか?
正規分布はZ=0を中心に左右対称だよね。
だからP(−2≦Z≦0)=P(0≦Z≦2)が成り立つんだ。
つまりP(−2≦Z≦2)=2×P(0≦Z≦2)で求められるよ。
P(−2≦Z≦2) =P(−2≦Z≦0)+P(0≦Z≦2) =P(0≦Z≦2)+P(0≦Z≦2) =2×0.4772 =0.9544 よって、30点以上70点以下の生徒は全体の約95.44%です。
これはμ±2σの範囲だね。68-95-99.7ルールの「約95%」と一致しているよ!
(3) 65点以上の生徒は全体の約何%か。
X=65を標準化すると、Z=1065−50=1.5
求める確率はP(X≧65)=P(Z≧1.5)です。
P(Z≧1.5)って、正規分布表から直接読めないですよね?
そうだね。ここがポイントだよ。
全体の確率は1だから、P(Z≧0)=0.5(右半分)ということを使おう。
右半分の確率P(Z≧0)=0.5から、P(0≦Z≦1.5)を引けば求められます。
P(Z≧1.5) =P(Z≧0)−P(0≦Z≦1.5) =0.5−0.4332 =0.0668 よって、65点以上の生徒は全体の約6.68%です。
なるほど!「全体0.5から引く」という方法を使うんですね。
正規分布の確率計算では、次の3パターンを覚えておくと便利だよ。
(1)P(a≦Z≦b):正規分布表の値を足し引きする
(2)P(Z≧a):0.5−P(0≦Z≦a)
(3)P(Z≦−a):対称性より P(Z≧a)に等しい
このページのまとめ
ここでは正規分布N(μ,σ2)について学習しました。
正規分布の問題を解く手順は、(1)標準化(Z=σX−μ)→ (2)正規分布表で確率を読み取る→ (3)対称性を使って計算、の3ステップです。
統計的な推測の基礎となる重要な分野なので、繰り返し練習してマスターしてくださいね!