このページのまとめ
先に押さえておくこと
仮説検定の考え方の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。
答えの要点
図と式の対応や答えの条件を、先に短く確認できます。
- テーマ: 帰無仮説と対立仮説
- ポイント: 統計的な推測の要点を、図と式を往復しながら確認しやすい記事です。
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問題
あるコインを100回投げたところ、表が60回出た。このコインは「表が出やすい」と言えるか、有意水準5%で検定せよ。
ただし、正規分布表より、片側検定ではP(Z≧1.645)=0.05, P(Z≧2.33)=0.01、両側検定ではP(∣Z∣≧1.96)=0.05, P(∣Z∣≧2.58)=0.01とする。
解説
仮説検定の考え方について解説します。
仮説検定は「ある主張が正しいかどうか」をデータを使って判断する方法だよ。
考え方を理解すれば難しくないから、一緒に見ていこう!
仮説検定の考え方は「背理法」に似ているんだ。
まず否定したい仮説(H0)を仮定して、それが成り立たないことを示すんだよ。
なるほど!H0が正しいと仮定して、矛盾を導くんですね。
あるコインを100回投げたところ、表が60回出た。このコインは「表が出やすい」と言えるか、有意水準5%で検定せよ。
まず、仮説を設定しましょう。
H0(帰無仮説):表が出る確率は
p=0.5(普通のコインである)
H1(対立仮説):表が出る確率は
p>0.5(表が出やすいコインである)
対立仮説がp=0.5ではなくp>0.5なのはなぜですか?
問題文で「表が出やすい」かどうかを調べているからだね。
「出やすい」はp>0.5を意味するから、これを片側検定というんだ。
次に、有意水準について確認しましょう。
「H0が正しいのに、誤ってH0を棄却してしまう確率」を5%以下にするということだよ。
つまり「5%以下の確率でしか起こらないこと」が起きたら、H0は間違っていると判断するんだ。
それでは、検定統計量を計算していきましょう。
H0が正しいとき、標本比率p^は近似的に正規分布N(p,np(1−p))に従います。
標準化した検定統計量Zは
Z=np(1−p)p^−p =1000.5×0.50.6−0.5 =0.00250.1 =0.050.1 有意水準5%の片側検定での棄却域を求めます。
片側検定で有意水準5%のとき、棄却域はZ≧1.645だよ。
問題文には片側検定と両側検定の両方の値が与えられているから、今回は片側検定の1.645を使うんだ。
検定統計量Z=2は棄却域Z≧1.645に入るので、H0を棄却します。
下のグラフで棄却域(赤く塗られた部分)を確認してみましょう。
赤く塗られた部分が有意水準5%の片側検定における棄却域(Z≧1.645)です。計算した検定統計量Z=2はこの棄却域に含まれるため、H0を棄却できます。
つまり、このコインは表が出やすいと言えるんですね!
その通り!「有意水準5%で有意である」と表現するよ。
検定の結論の書き方をまとめておきましょう。
棄却域に入る場合:「
H0を棄却し、
H1を採択する」
棄却域に入らない場合:「
H0を棄却できない」
棄却域に入らない場合は「H0が正しい」とは言わないんですか?
いい質問!「棄却できない」と「正しい」は違うんだ。
データからはH0が間違っているとは言えない、ということだね。
このページのまとめ
ここでは仮説検定の考え方について学習しました。
仮説検定は「帰無仮説H0を仮定して、それが正しくないかどうかを調べる」という考え方がポイントです。
検定の手順をしっかり覚えて、問題に取り組んでくださいね!