統計的な推測

仮説検定の考え方

帰無仮説と対立仮説

統計的な推測の「仮説検定の考え方」を、答えを先に押さえてから理解できる形に整理したページです。「帰無仮説と対立仮説」でつまずきやすい点も含めて、学習の流れを短く確認できます。

数学B 約13分 難易度 2 図つき

このページのまとめ

先に押さえておくこと

仮説検定の考え方の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。

答えの要点

図と式の対応や答えの条件を、先に短く確認できます。

  • テーマ: 帰無仮説と対立仮説
  • ポイント: 統計的な推測の要点を、図と式を往復しながら確認しやすい記事です。
  • 次に読むなら: 関連ページ、またはアプリで類題演習

問題

あるコインを100100回投げたところ、表が6060回出た。このコインは「表が出やすい」と言えるか、有意水準5%5\%で検定せよ。

ただし、正規分布表より、片側検定ではP(Z1.645)=0.05P(Z \geqq 1.645) = 0.05, P(Z2.33)=0.01P(Z \geqq 2.33) = 0.01、両側検定ではP(Z1.96)=0.05P(|Z| \geqq 1.96) = 0.05, P(Z2.58)=0.01P(|Z| \geqq 2.58) = 0.01とする。

答えを見る

帰無仮説H0H_0:このコインの表が出る確率はp=0.5p=0.5である

対立仮説H1H_1:このコインの表が出る確率はp>0.5p>0.5である

標本比率p^=60100=0.6\hat{p}=\frac{60}{100}=0.6

検定統計量Z=0.60.50.5×0.5100=0.10.05=2Z=\frac{0.6-0.5}{\sqrt{\frac{0.5 \times 0.5}{100}}}=\frac{0.1}{0.05}=2

有意水準5%5\%の片側検定で棄却域はZ1.645Z \geqq 1.645

Z=21.645Z=2 \geqq 1.645より棄却域に入るので、H0を棄却し、このコインは表が出やすいと言える\underline{H_0を棄却し、このコインは表が出やすいと言える}

解説

仮説検定の考え方について解説します。

仮説検定ってなんですか?難しそうです...

仮説検定は「ある主張が正しいかどうか」をデータを使って判断する方法だよ。

考え方を理解すれば難しくないから、一緒に見ていこう!

帰無仮説と対立仮説って何ですか?

いい質問だね!これが仮説検定の核心部分だよ。

仮説検定の考え方は「背理法」に似ているんだ。

まず否定したい仮説(H0H_0)を仮定して、それが成り立たないことを示すんだよ。

なるほど!H0H_0が正しいと仮定して、矛盾を導くんですね。


あるコインを100100回投げたところ、表が6060回出た。このコインは「表が出やすい」と言えるか、有意水準5%5\%で検定せよ。

まず、仮説を設定しましょう。

  • H0H_0(帰無仮説):表が出る確率はp=0.5p=0.5(普通のコインである)
  • H1H_1(対立仮説):表が出る確率はp>0.5p>0.5(表が出やすいコインである)

対立仮説がp0.5p \neq 0.5ではなくp>0.5p>0.5なのはなぜですか?

問題文で「表が出やすい」かどうかを調べているからだね。

「出やすい」はp>0.5p>0.5を意味するから、これを片側検定というんだ。

次に、有意水準について確認しましょう。

有意水準5%5\%ってどういう意味ですか?

H0H_0が正しいのに、誤ってH0H_0を棄却してしまう確率」を5%5\%以下にするということだよ。

つまり「5%5\%以下の確率でしか起こらないこと」が起きたら、H0H_0は間違っていると判断するんだ。

それでは、検定統計量を計算していきましょう。

H0H_0が正しいとき、標本比率p^\hat{p}は近似的に正規分布N(p,p(1p)n)N\left(p, \frac{p(1-p)}{n}\right)に従います。

標準化した検定統計量ZZ

Z=p^pp(1p)nZ = \frac{\hat{p} - p}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}}
=0.60.50.5×0.5100= \frac{0.6 - 0.5}{\sqrt{\frac{0.5 \times 0.5}{100}}}
=0.10.0025= \frac{0.1}{\sqrt{0.0025}}
=0.10.05= \frac{0.1}{0.05}
=2= 2

有意水準5%5\%の片側検定での棄却域を求めます。

片側検定で有意水準5%5\%のとき、棄却域はZ1.645Z \geqq 1.645だよ。

問題文には片側検定と両側検定の両方の値が与えられているから、今回は片側検定の1.6451.645を使うんだ。

検定統計量Z=2Z=2は棄却域Z1.645Z \geqq 1.645に入るので、H0H_0を棄却します。

下のグラフで棄却域(赤く塗られた部分)を確認してみましょう。

-4 -2 0 2 4

赤く塗られた部分が有意水準5%5\%の片側検定における棄却域(Z1.645Z \geqq 1.645)です。計算した検定統計量Z=2Z=2はこの棄却域に含まれるため、H0H_0を棄却できます。

つまり、このコインは表が出やすいと言えるんですね!

その通り!「有意水準5%5\%で有意である」と表現するよ。


検定の結論の書き方をまとめておきましょう。

  • 棄却域に入る場合:「H0H_0を棄却し、H1H_1を採択する」
  • 棄却域に入らない場合:「H0H_0を棄却できない」

棄却域に入らない場合は「H0H_0が正しい」とは言わないんですか?

いい質問!「棄却できない」と「正しい」は違うんだ。

データからはH0H_0が間違っているとは言えない、ということだね。

このページのまとめ

ここでは仮説検定の考え方について学習しました。

仮説検定は「帰無仮説H0H_0を仮定して、それが正しくないかどうかを調べる」という考え方がポイントです。

検定の手順をしっかり覚えて、問題に取り組んでくださいね!

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