このページのまとめ
先に押さえておくこと
二項分布の正規近似の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。
答えの要点
図と式の対応や答えの条件を、先に短く確認できます。
- テーマ: nが大きい場合
- ポイント: 統計的な推測の要点を、図と式を往復しながら確認しやすい記事です。
- 次に読むなら: 関連ページ、またはアプリで類題演習
問題
ある製品の不良品率は5%である。この製品を400個検査するとき、不良品の個数Xについて次の問いに答えよ。
(1)Xの期待値と標準偏差を求めよ。
(2)不良品が15個以下である確率を、正規分布による近似を用いて求めよ。
解説
二項分布の正規近似について解説します。
二項分布の確率を計算するのって、nが大きいと大変ですよね...
その通り!例えば400C15なんて計算するのは現実的じゃないよね。
そこで登場するのが「正規近似」なんだ。
まず、二項分布の正規近似の考え方を確認しましょう。
nが十分大きいって、具体的にはどのくらいですか?
一般的に、以下の条件を満たすとき正規近似が使えるとされているよ。
この条件は、二項分布のグラフが左右対称に近くなるための目安なんだ。
pが0や1に近いと、nがかなり大きくないと近似精度が悪くなるよ。
それでは問題を解いていきましょう。
ある製品の不良品率は5%である。この製品を400個検査するとき、不良品の個数Xについて
(1)Xの期待値と標準偏差を求めよ。
Xは二項分布B(400,0.05)に従います。
二項分布B(n,p)の期待値と分散は、
期待値:
E(X)=np
分散:
V(X)=np(1−p)
よって、
E(X)=400×0.05=20 V(X)=400×0.05×0.95=19 σ(X)=V(X)=19≒4.36 正規近似が使えるかどうかも確認しておこう。
np=20≧5、n(1−p)=380≧5なので、条件を満たしているね。
(2)不良品が15個以下である確率を、正規分布による近似を用いて求めよ。
Xは近似的にN(20,19)に従うので、Z=19X−20はN(0,1)に従います。
P(X≦15)を求めればいいんですね。
そうだね。ただし、ここで重要なポイントがあるんだ。
それが「連続性補正」だよ。
二項分布ではX=15という離散的な値を取るけど、
正規分布では14.5から15.5の範囲がX=15に対応すると考えるんだ。
だからX≦15はX≦15.5として計算するんだよ。
連続性補正を適用して計算していきます。
P(X≦15)≒P(X≦15.5) =P(Z≦1915.5−20) =P(Z≦19−4.5) =P(Z≦−1.03) 19≒4.36なので、4.36−4.5≒−1.03だね。
標準正規分布表より、P(0≦Z≦1.03)=0.3485なので、
P(Z≦−1.03)=0.5−P(0≦Z≦1.03) =0.5−0.3485 =0.1515 グラフで確認すると、Z≦−1.03の部分(色付き)が求める確率に対応します。
補正なしだと1915−20=4.36−5≒−1.15となって、
P(Z≦−1.15)=0.5−0.3749=0.1251と少し異なる値になるよ。
連続性補正をした方が精度が高いんだ。
このページのまとめ
ここでは二項分布の正規近似について学習しました。
nが大きいとき、二項分布B(n,p)は正規分布N(np,np(1−p))で近似できます。
連続性補正を忘れずに適用して、精度の高い近似値を求められるようになりましょう!