確率

ベイズの定理(原因の確率)

結果から原因を推定する

確率の「ベイズの定理(原因の確率)」を、答えを先に押さえてから理解できる形に整理したページです。「結果から原因を推定する」でつまずきやすい点も含めて、学習の流れを短く確認できます。

数学A 約12分 難易度 2 図つき

このページのまとめ

先に押さえておくこと

ベイズの定理(原因の確率)の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。

答えの要点

図と式の対応や答えの条件を、先に短く確認できます。

  • テーマ: 結果から原因を推定する
  • ポイント: 確率の要点を、図と式を往復しながら確認しやすい記事です。
  • 次に読むなら: 関連ページ、またはアプリで類題演習

問題

ある製品を工場A\text{A}と工場B\text{B}22つの工場で生産している。工場A\text{A}は全体の60%60\%を生産し、その不良品率は2%2\%である。工場B\text{B}は全体の40%40\%を生産し、その不良品率は5%5\%である。

(1)(1)\quad 製品を11つ取り出したとき、それが不良品である確率を求めよ。

(2)(2)\quad 取り出した製品が不良品であったとき、それが工場A\text{A}で生産されたものである確率を求めよ。

答えを見る

(1)  (1)\; 4125\underline{\frac{4}{125}}

(2)  (2)\; 38\underline{\frac{3}{8}}

解説

ベイズの定理(原因の確率)の問題について解説します。

「原因の確率」ってどういう意味ですか?

いい質問だね。ふつう確率は「原因→結果」の方向で考えるよね。

でもこの問題の(2)(2)では、「不良品だった(結果)」ことが分かった上で「工場Aで作られた(原因)」確率を求めるんだ。

つまり「結果→原因」の方向に確率を求めるから「原因の確率」と呼ぶんだよ。

まずは条件つき確率の公式を確認しておきましょう。

それでは(1)(1)から順番に見ていきましょう。

(1)(1)\quad 製品を11つ取り出したとき、それが不良品である確率を求めよ。

まずは問題の状況を樹形図(ツリー図)で整理してみよう。

0.6 0.4 0.02 0.98 0.05 0.95 開始 工場A P=0.6 工場B P=0.4 不良品 P=0.012 良品 P=0.588 不良品 P=0.02 良品 P=0.38

不良品が出る場合は22つのパターンがあります。

  1. 工場A\text{A}の製品が不良品であるとき
  2. 工場B\text{B}の製品が不良品であるとき

それぞれの確率を求めましょう。

(1)\text{(1)} 工場A\text{A}の製品が不良品である確率: 60100×2100=35×150=3250\frac{60}{100} \times \frac{2}{100} = \frac{3}{5} \times \frac{1}{50} = \frac{3}{250}

(2)\text{(2)} 工場B\text{B}の製品が不良品である確率: 40100×5100=25×120=150\frac{40}{100} \times \frac{5}{100} = \frac{2}{5} \times \frac{1}{20} = \frac{1}{50}

したがって、不良品である確率は

P(不良品)P(\text{不良品})
=3250+150= \frac{3}{250} + \frac{1}{50}
=3250+5250= \frac{3}{250} + \frac{5}{250}
=8250= \frac{8}{250}
=4125= \underline{\frac{4}{125}}

このように、全ての原因を通じて結果が起こる確率を求める公式を「全確率の公式」というよ。

それでは次の問題を見ていきましょう。

(2)(2)\quad 取り出した製品が不良品であったとき、それが工場A\text{A}で生産されたものである確率を求めよ。

この問題が今回のテーマである「原因の確率」の問題です。

「不良品だった」という結果が分かっているから、そこから原因(どの工場か)を逆にたどるんですね。

その通り!条件つき確率の公式を使って求めてみよう。

ここで、各事象を整理しましょう。

事象AA: 不良品である\underline{\text{不良品である}}(結果)

事象BB: 工場Aで生産された\underline{\text{工場Aで生産された}}(原因)

求めたいのは PA(B)=P(AB)P(A)P_A(B) = \frac{P(A \cap B)}{P(A)} です。

P(A)P(A)(1)(1)で求めた 4125\frac{4}{125} です。

P(AB)P(A \cap B)は「工場A\text{A}で作られた製品が不良品である確率」なので 3250\frac{3}{250} です。

よって

PA(B)P_A(B)
=P(AB)P(A)= \frac{P(A \cap B)}{P(A)}
=32504125= \frac{\frac{3}{250}}{\frac{4}{125}}
=3250×1254= \frac{3}{250} \times \frac{125}{4}
=3751000= \frac{375}{1000}
=38= \underline{\frac{3}{8}}

工場A\text{A}は全体の60%60\%を作っているのに、不良品が工場A\text{A}由来である確率は38=37.5%\frac{3}{8}=37.5\%しかないんですね!

そうだね。工場A\text{A}は不良品率が2%2\%と低いから、たくさん作っていても不良品の「犯人」としては確率が低くなるんだ。

逆に工場B\text{B}は生産量は少ないけど不良品率が5%5\%と高いから、不良品が工場B\text{B}由来である確率は58=62.5%\frac{5}{8}=62.5\%と高くなるよ。

この解法を一般化したものがベイズの定理です。

公式が複雑ですね...覚えないとダメですか?

公式を丸暗記する必要はないよ!

大切なのは「分母は全確率の公式で全体の確率を求め、分子は特定の原因を経由する確率を求める」という考え方だよ。

樹形図を書いて整理すれば、自然と公式の形になるからね。

このページのまとめ

ここではベイズの定理(原因の確率)について学習しました。

ポイントは、「結果が起きた確率(全確率)」を分母に、「特定の原因を経由して結果が起きた確率」を分子にして条件つき確率を求めることです。

樹形図を使って整理すると分かりやすいので、ぜひ活用してくださいね!

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