積分法

特殊な置換積分①

積分法の「特殊な置換積分①」を、答えを先に押さえてから理解できる形に整理したページです。学習の流れを短く確認できます。

数学Ⅲ 約13分 難易度 1

このページのまとめ

先に押さえておくこと

特殊な置換積分①の要点をまとめたページです。先に答えを確認してから、解き方とつまずきやすい点を順にたどれます。

答えの要点

積分法の答えと条件を先に確認できます。

  • テーマ: 特殊な置換積分①
  • ポイント: 積分法の基礎を短く確認しやすく、検索から入ってもそのまま理解まで進めやすい記事です。
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問題

次の定積分を求めよ。

(1)∫024−x2dx(1)\quad \int_0^2 \sqrt{4-x^2}dx
(2)∫03219−x2dx(2)\quad \int_0^{\frac{3}{2}} \frac{1}{\sqrt{9-x^2}}dx

答えを見る

(1)∫024−x2dx=π‾(1)\quad \int_0^2 \sqrt{4-x^2}dx = \underline{\pi}
(2)∫03219−x2dx=π6‾(2)\quad \int_0^{\frac{3}{2}} \frac{1}{\sqrt{9-x^2}}dx = \underline{\frac{\pi}{6}}

解説

置換積分の問題を解説します。

この問題を見て、どう考えるかな?

うーん、難しそうな積分ですね。とりあえずこの形のまま積分するのは無理なので置換して積分すると思います。

そうだね。でも結論から言うとこの形の積分は「特殊な置換」をしないと求めることができないんだ。

ふむふむ。でもこんな置換方法、絶対思いつけないですよね。

そうだね。この解法は必ず暗記しておこう。

それでは実際に例題を通して解法を見ていきましょう。

次の定積分を求めよ。

(1)∫024−x2dx(1)\quad \int_0^2 \sqrt{4-x^2}dx

被積分関数に4−x2\sqrt{4-x^2}というa2−x2\sqrt{a^2-x^2}の形をした関数が含まれているので、特殊な置換を行う積分だと気づけますね。

x=2sin⁡θ  (−π2≦θ≦π2)  x=2\sin \theta\; \left(-\frac{\pi}{2}\leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}\right)\;と置換して考えていきます。

x=asin⁡θx=a\sin\thetaと置換したとき、定積分の積分区間も変わることに注意しよう。

変数がxxのときは積分区間は0→20 \to 2でしたが、変数がθ\thetaになったため積分区間も変わります。

x=0x=0のときx=2sin⁡θ  (−π2≦θ≦π2)  x=2\sin\theta\; \left(-\frac{\pi}{2}\leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}\right)\;を解くとθ=0\theta=0となり、x=2x=2のときx=2sin⁡θ  (−π2≦θ≦π2)  x=2\sin\theta\; \left(-\frac{\pi}{2}\leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}\right)\;を解くとθ=π2\theta=\frac{\pi}{2}となるため、積分区間は0→π20 \to \frac{\pi}{2}となります。

また、x=2sin⁡θx=2\sin\thetaの両辺をθ\thetaで微分して整理することにより、dx=2cos⁡θdθdx=2\cos\theta d\thetaとできますね。

以上より、∫024−x2dx\int_0^2 \sqrt{4-x^2}dx =∫0π24−4sin⁡2θ⋅2cosθdθ=\int_0^{\frac{\pi}{2}} \sqrt{4-4\sin^2\theta}\cdot 2cos\theta d \thetaを考えていきます。

被積分関数である4−4sin⁡2θ\sqrt{4-4\sin^2\theta}は相互関係を用いれば4cos⁡2θ=2∣cos⁡θ∣\sqrt{4\cos^2\theta}=2|\cos\theta|となるので、整理すると∫0π22∣cos⁡θ∣⋅2cos⁡θdθ\int_0^{\frac{\pi}{2}} 2|\cos\theta|\cdot 2\cos\theta d \theta =4∫0π2cos⁡2θdθ=4\int_0^{\frac{\pi}{2}}\cos^2\theta d\thetaとなります。

あれ、∣cos⁡θ∣|\cos\theta|ってどうなったんですか?

積分区間である0→π20 \to \frac{\pi}{2}よりこの範囲ではcos⁡θ≧0\cos\theta\geqq 0となることが分かるから、∣cos⁡θ∣=cos⁡θ|\cos\theta|=\cos\thetaとしてOKだよ。

あとは4∫0π2cos⁡2θdθ4\int_0^{\frac{\pi}{2}}\cos^2\theta d\thetaを計算していきましょう。

2倍角の公式を使うことにより、∫0π21+cos⁡2θ2dθ=2[θ+12sin⁡2θ]0π2=2⋅π2=π‾\int_0^{\frac{\pi}{2}} \frac{1+\cos 2\theta}{2}d\theta =2\left[ \theta + \frac{1}{2}\sin2\theta \right]_0^{\frac{\pi}{2}} = 2\cdot \frac{\pi}{2}=\underline{\pi}となります。

では次の問題を見ていきましょう。

次の定積分を求めよ。

(2)∫03219−x2dx(2)\quad \int_0^{\frac{3}{2}} \frac{1}{\sqrt{9-x^2}}dx

分母にa2−x2\sqrt{a^2-x^2}の形をした関数がありますね。

その通り。分数になっていると意外と気づきづらいから、注意しておこう。

(1)(1)と同様にx=asin⁡θx=a\sin\thetaと置換して考えていきます。

a2−x2\sqrt{a^2-x^2}の形をした関数が、分子ではなく分母にあるだけで考え方自体は同じなので、解答例を以下に示します。

x=3sin⁡θ  (−π2≦θ≦π2)  x=3\sin\theta \; \left( -\frac{\pi}{2} \leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}\right) \;と置換すると

dx=3cos⁡θdθdx=3\cos \theta d \theta で積分区間は0→π60 \to \frac{\pi}{6}となる。

∫03219−x2dx\int_0^{\frac{3}{2}} \frac{1}{\sqrt{9-x^2}}dx =∫0π613∣cos⁡θ∣⋅3cos⁡θdθ=\int_0^{\frac{\pi}{6}} \frac{1}{3|\cos\theta|}\cdot 3\cos\theta d\theta

0≦θ≦π60 \leqq \theta \leqq \frac{\pi}{6}においてcos⁡θ≧0\cos\theta \geqq 0なので

∫0π613∣cos⁡θ∣⋅3cos⁡θdθ\int_0^{\frac{\pi}{6}} \frac{1}{3|\cos\theta|}\cdot 3\cos\theta d\theta=∫0π613cos⁡θ⋅3cos⁡θdθ=\int_0^{\frac{\pi}{6}} \frac{1}{3\cos\theta}\cdot 3\cos\theta d\theta

よって、∫0π6dθ=π6‾\int_0^{\frac{\pi}{6}} d\theta =\underline{\frac{\pi}{6}}

このページのまとめ

ここでは特殊な置換積分の問題について解説しました。

今回の例題のような特殊な置換積分を行わなければならない問題の解法をその場で考えるのはほぼ無理なので、必ず解法を覚えましょう。

x=asin⁡θx=a\sin\thetaと置換することが分かっていても、積分区間を求めたり2倍角の公式を使う計算などミスが起きやすい計算もたくさんあるので、色々な問題を解いて解き慣れておきましょう!

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